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2018年9月27日

神奈川県歯、平成30年度食力研修会を開催

「今、食力を考える~食べることから健康寿命を伸ばす~」をテーマに

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 さる9月27日(木)、神奈川県歯科医師会館において、神奈川県歯科医師会(以下、神奈川県歯、鈴木駿介会長)による平成30年度食力研修会が「今、食力を考える~食べることから健康寿命を伸ばす~」をテーマに開催され、会員のみならず神奈川県歯科衛生士会会員、同県栄養士会会員、東京都健康管理士会員が多数参集した。

 本研修会には、中條和子氏(神奈川県健康医療局保健医療部健康増進課副技幹、歯科医師)、飯島勝矢氏(東大高齢社会総合研究機構教授、医師)、渡邊 裕氏(東京都健康長寿医療センター研究所社会科学系研究副部長、歯科医師)、五味郁子氏(神奈川県立保健福祉大栄養学科准教授、管理栄養士)が講師として招聘された。

 中條氏は、全国初となるオーラルフレイル改善プログラムや国民向けの映像放映、医療従事者向けのハンドブック作成・配布などを紹介。本年度は飯島氏らの協力のもと、海老名市をモデル地域とした大規模介入調査をスタートさせていることなど、神奈川県における食(栄養・オーラルフレイル)の取り組みについて披露した。

 つぎに、オーラルフレイル研究の第一人者である飯島氏は、自身がかかわっている調査研究結果を示すとともに、かかりつけ歯科医をもち定期的にメインテナンスを受ける大切さや、国家戦略としてのオーラルフレイル予防をさまざまな方法で普及・推進していくかについて、力のこもった講演で会場を魅了した。

 その後、飯島氏らの研究にも協力している渡邊氏は講演の中で、生活習慣病のコントロールがフレイル対策の中核であると強調。口腔機能が低下してオーラルフレイルを発症させないために、しっかり噛んで食べて話すことができる「国民の笑顔を守ること」の大切さについても述べた。

 引き続き、管理栄養士である五味氏は、低栄養が身体にもたらす影響などについてデータをもとにわかりやすく解説。低栄養に陥らないための食事の取り方に関するアドバイスや、管理栄養士との連携についても言及した。

 最後に、佐藤哲郎氏(神奈川県歯理事)の座長のもと、全演者によるディスカッションが行われ、会場からも積極的な意見が出されるほど“食力”への関心の高さがうかがえる研修会となった。