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2019年2月24日

東京オーラルマネジメント研究会 第9回学術研修会を開催

「地域におけるオーラルマネジメント」をテーマに

 さる2月24日(日)、日本歯科大学生命歯学部九段ホール(東京)において、東京オーラルマネジメント研究会 第9回学術研修会(菊谷 武大会長、弘中祥司会長)が「地域におけるオーラルマネジメント」をテーマに開催された。

 まず、菊谷大会長(日歯大)が開会の挨拶に立ち、続いて白石 愛氏(熊本リハビリテーション病院)から「回復期病棟におけるオーラルマネジメント」と題した講演があった。白石氏は、みずからが勤務する熊本リハビリテーション病院でのオーラルマネジメントへの取り組やさまざまな職種がかかわるなかでの歯科衛生士の役割を紹介。また、回復期リハビリテーション病院において、口腔の問題に歯科衛生士が介入することで、患者の臨床アウトカムが改善するという臨床研究結果を示した。また、講演の最後では、多くの職種を巻き込んで患者さんの食べる楽しみを守っていこうと呼びかけた。

 続いて、小坂美樹氏(東京小児療育病院歯科)および岡山秀明氏(東京都開業)が登壇し、「医療的ケア児のオーラルマネジメント」をテーマに、それぞれ講演を行った。小坂氏からは、日常的に医療的ケアを必要とする「医療的ケア児」の増加にともない、従来からの重症心身障害児を含めて小児在宅歯科医療のニーズが高まっている現状や、東京都多摩地区において地域の歯科医師と基幹病院が連携し、小児在宅患者の歯科的支援を行うことを目的として活動している「多摩小児在宅歯科医療連携ネット(たましょう歯ネット)」の紹介があった。岡山氏は、自院での小児在宅歯科診療への取組みの実際を症例を示しながら紹介。可能な限り早期からの歯科介入や歯科が介入することで、介護者の負担を軽減することが重要と述べた。

 ランチョンセミナーでは菊谷氏が登壇し「食べるを支えるオーラルマネジメント」と題して講演。高齢者においては、患者のステージによって歯科医療のアウトカムを変えていく必要があることなどを述べた。参加者には、噛む力が低下した人でも食べやすいように調理された、ユニバーサルデザインフードの「歯ぐきでつぶせる」に相当する「やわらか食」を含む弁当が提供された。

 午後に行われた基調講演「看取り期の口腔ケアや食を支えることの意味を再考する」では、医師である大井裕子氏(聖ヨハネ会桜町病院在宅診療部長・ホスピス科)が登壇。大井氏は、ホスピスでは患者が死を迎えるギリギリまで「食べる」ということについて本人や家族と話し合っており、その過程やともに食べたり味わったりした経験は、残された家族にとって大きな意味をもつとし、がん患者の看取り期において患者の身体機能が変化していくなか、食べることに関してどのような支援が求められるか紹介した。

 続いて、古屋裕康氏(日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック)を座長としてシンポジウム「在宅におけるオーラルマネジメント」が行われた。登壇者は、言語聴覚士である五十嵐沙羅氏(杉並リハビリテーション病院)、看護師である大室拓道氏(たんぽぽ訪問看護国領)、介護士である西田祥博氏(ケアサポートあすなろ)、歯科衛生士である有友たかね氏(日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック)、管理栄養士である尾関麻衣子氏(日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック)の5名。それぞれの職種の視点から、オーラルマネジメントへの取り組みや多職種での連携について症例を示しながら述べた。続いてのディスカッションでは、まだまだ人的資源の少ない在宅の現場において「食べる」ことをどう支えていくか、さまざまな立場から活発な意見交換がなされた。

 最後に弘中会長(昭和大)からの挨拶があり、成功裡に閉会となった。