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2019年2月24日

北九州歯学研究会、第43回発表会を開催

「挑戦~先人から学び挑戦し続けるもの~」のテーマでハイレベルな講演が展開される

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 さる2月24日(日)、JR九州ホール(福岡県)において、北九州歯学研究会第43回発表会(立和名靖彦会長)が「挑戦~先人から学び挑戦し続けるもの~」をテーマに、参加者約500名を集めて盛大に開催された。

 会長の立和名氏が開会の辞を述べたあと、講演は個人発表から始まった。従来は臨床的なテーマを設定し、それに対して各人が発表するという企画性の強いものであったが、今回は再生療法や矯正治療、CAD/CAMシステム、歯内療法、インプラントなど個人が特に力を入れている分野への「挑戦」に関する内容で構成された。

 まず、個人発表1では樋口琢善氏が「再生療法への挑戦」と題して講演。再生療法には基本的な歯周外科手技と定期的なメインテナンスが重要であることを、昨年10月に発刊された自身の書籍の内容を引用しながら強調した。続く中島稔博氏は「日常臨床における矯正治療の応用を考える」のタイトルで、全顎的な治療を行う中で悩みとなる「インプラントが先か、矯正が先か」などの具体的な臨床の疑問に答えながら講演を進め、好評を博した。

 次に、個人発表2では「補綴治療における精度を高めるための工夫」と題し山本真道氏が支台歯形成や歯肉圧排、印象採得に至るまで良好な治療結果を得るための挑戦を示した。筒井祐介氏は「当院におけるCAD/CAMの使用方法とその考察」の講演で、特に口腔内スキャナ(IOS)と口腔外スキャナ(Lab)の臨床的比較を試み、精度の違いや現時点の限界について考察した。

 昼食を挟み、続く新人発表では、芳賀 剛氏の「歯周形成外科への取り組み」および瀬戸泰介氏の「歯槽骨の平坦化をめざして」が行われ、両者とも新人とは思えないすぐれた臨床例を供覧し、研究会の先輩方より称賛を浴びた。

 最後のプログラムとなる個人発表3では、白土 徹氏による「インプラント治療後に遭遇する問題点を再考する」、田中憲一氏による「多数歯欠損症例における咬合再構成の留意点」、倉富 覚、氏による「歯内療法~私の守・破・離~」が講演された。それぞれインプラント治療後のメインテナンスにおけるトラブルの考察や、本研究会が得意とする咬合再構成治療における欠損補綴の選択、歯内療法の手技や概念の変遷に関して興味深い講演が展開された。

 発表の後の質疑応答の時間ではベテラン勢からの叱咤激励もあり、教育に力を入れている本会らしい発表会となった。

※なお、実名を挙げた歯科医師の先生方はすべて福岡県開業