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2019年3月1日

第28回(一社)日本有病者歯科医療学会総会・学術大会および第39回(一社)日本歯科薬物療法学会総会・学術大会同時開催

「医療における歯科医療の新たなる展開」をテーマに

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 さる3月1日(金)から3日(日)の3日間、千葉市民会館(千葉県)において、第28回(一社)日本有病者歯科医療学会総会・学術大会(丹沢秀樹大会長、今井 裕理事長)および第39回(一社)日本歯科薬物療法学会総会・学術大会(金子明寛大会長・理事長)が「医療における歯科医療の新たなる展開」をテーマに同時開催された。

 2日の教育講演1~4では、昨今、世界的に大きな問題となっており喫緊の課題として対策が求められている薬剤耐性(AMR:antimicrobial resistance)対策をテーマに講演が行われた。まず、教育講演1では「歯科におけるAMR対策」と題して金子氏が登壇し、歯科で使用されてきた抗菌薬の変遷や歯科における抗菌薬の使用動向、AMR対策を意識した抗菌薬の選択・処方について解説した。続いての教育講演2では「日本におけるAMR(薬剤耐性)対策」と題して大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター病院副医長、AMR臨床リファレンスセンター長)が登壇。自身が経験した事例を示しながらAMR対策の重要性を強調。また厚生労働省により作成された『抗微生物薬適正使用の手引き 第一版(ダイジェスト版)』を紹介し、この手引きにも記載されている感冒を例にとり、抗菌薬の適正使用について解説した。

 午後に行われた教育講演3では「歯科における抗菌薬」と題して岩田健太郎氏(神戸大教授)が登壇。抗菌薬の歴史を紐解きながら抗菌薬の適正使用の重要性が認識されるに至った過程を解説。また、抗菌薬の適正使用には「正確な診断」「その抗菌薬を使用する必然性」「アウトカムの希求」の3つが原則として重要であるとし、その原則に則った歯科・口腔外科領域での抗菌薬の選択・使用について解説した。最後に、教育講演4では「歯科領域におけるペニシリン系抗菌薬の使い方」と題して矢野晴美氏(国際医療福祉大医学教育統括センター教授)が登壇。歯科・口腔外科領域での感染症に第一選択となるペニシリン系抗菌薬について、その選択や使用期間などの考え方を典型的な症例を提示しながら解説した。

 その他にも、基調講演1「バイオフィルムの内部構造を考える、バイオイメージングの最前線(野村暢彦氏/筑波大教授)」、学術研修会「肺炎の治療と口腔ケア(猪狩英俊氏/千葉大医学部附属病院教授)」、教育講演5「10万個の子宮と子宮頸がんワクチン(村中璃子氏/京都大・ジャーナリスト)」、教育講演6「高齢者・基礎疾患を有する患者のがん薬物療法(滝口裕一氏/千葉大教授)」、アンケート報告、衛生士シンポジウム、市民公開講座、ランチョンセミナ―、一般口演、ポスター発表など多彩なプログラムが組まれ、盛況だった。