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2019年3月3日

日本臨床歯周病学会、中部支部教育研修会・総会を開催

会場から多数の質問が出され、活気ある会となる

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 さる3月3日(日)、愛知学院大学(愛知県)において、日本臨床歯周病学会 中部支部教育研修会・総会(村上 卓大会長)が開催された。

 まず歯科医師2名、歯科衛生士2名の計4名の会員から「限局型中等度慢性歯周炎患者に歯周組織再生療法を行った一症例」「異なる分岐部病変をもつ天然歯保存への挑戦」「Ⅱ型糖尿病をともなう歯周病患者に歯周治療を行い、改善を認めた一症例」「後半型重度歯周炎患者に感染のコントロールと力のコントロールを行った一症例」の4つのケースプレゼンテーションが行われた。

 その後、斎田寛之氏(埼玉県開業)、片山奈美氏(斉田歯科医院)による教育公演「個体差を考えた歯周治療、歯周基本治療」が行われた。歯周治療では患者の個体差をまず見て診断を行うという斎田氏は、罹患度(すでに起こってしまった骨吸収の大きさ)、進行度(現在歯周病が進行形なのか、それとも進行が停止しているか)、回復力(今後の治る見込み、宿主因子)にわけて個体差を考える千葉英史氏(千葉県開業)の理論に則り、患者のもつ因子と口腔内の状態を合わせて治るペリオ、治りにくいペリオと難易度別に分類し、診断と治療に生かす理論について解説した。また片山氏は同理論にのっとった歯周基本治療について、歯科衛生士の立場から解説を行った。

 斎田氏はさらに、難治性エンドペリオ病変への対応として、エムドゲイン®を用いた意図的再植について症例供覧し、歯の保存の一方法を示した。

 続いて午後には、特別講演として岡田豊一氏(奈良県開業)による「包括歯科治療における歯周矯正治療の役割」が行われた。

 超高齢社会における歯周矯正治療の目的、意義として「病的な歯の移動(PTM)の是正」「歯周支持組織の改善」「歯槽骨の骨増大」を3本柱として立て、海外論文と歯列不正と歯周病を併発している症例を数多く示しながら、歯根膜と歯槽骨の再生能を生かした歯周矯正治療について解説した。

 いずれの演題においても、会場から質問が多く出される、活気のある会となった。