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2019年3月3日

第36回公衆歯科衛生研究会(ネコの会)開催

歯科内外を問わず210名の多職種が参集し、熱気あふれる一日に

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 さる3月3日(日)、兵庫県中央労働センター(兵庫県)において、第36回公衆歯科衛生研究会(ネコの会)が「なぞかけ大会」をテーマに開催された。

 本会は、地域歯科保健活動に従事している歯科医療者をはじめ、医師や管理栄養士、養護教諭、保育士、教師などの多職種による情報交換の場として活動が続けられている。年々参加希望者が増えており、今回は申込開始3日で満席の210名が集まり、参加希望のキャンセル待ちも相次いでいたとのこと。

 当日は、参加者が事前に作成した「なぞかけ」を自己紹介がてら披露し合うグループワークにはじまり、特別講演2題のほか、教育講演、ミニ講演など終日盛りだくさんの内容で進行した。

 特別講演1では、椎原春一氏(福岡県大牟田市動物園園長)が「動物と向き合うことで人として生きることを考える」と題して登壇。氏はまず、「動物も人と同じく主観をもつ“個”として存在する」と述べ、同園で掲げる「動物福祉」というコンセプトについて、「動物の視点・立場を科学的に追求し、動物の生活を高める取り組みを一緒に考えて進めていくもの」と紹介した。そのうえで、それを実現するために行っている取り組みとして、安心できる居場所をつくる、必要な行動ができる環境を提供する、動物に協力してもらう、の3つを挙げ、それぞれについてさまざまな動物を例に紹介した。動物たちに対するこのような向き合い方は、まさに子育てと通じるものが多く、参加者の関心を大いに集めた。

 本会最後のプログラムとして行われた特別講演2では、岩倉政城氏(新日本医師協会顧問、尚絅学院大名誉教授)が招聘され、講演を行った。氏はまず、「動物である子どものこころの発達はからだからはじまる」とし、特に皮膚と口がこころの発達の起点となることを強調した。その例として、特に人が生まれてから最初に行う授乳によって、乳児は人と人がかかわる心地良さについて五感を使って学習し、母親に対する基本的信頼(自分がこの世にいる存在意義)を得られることを紹介。この他にも、子どもが噛みつくという行為も、「(母親などの)対象にはたらきかけ、その対象の反応によってより深く対象を理解する行為でもある」と述べ、その背景を知ることで、子どもの気持ちも知ることができると解説した。