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2007年9月6日

HIV感染者歯科診療体制構築に関する担当者会議開催

「地域医療ネットワーク」の重要性問われる

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 さる9月6日(木)、国立国際医療センター(東京都、笹月健彦総長)にてHIV感染者歯科診療体制構築に関する担当者会議が開催された。
 本会議は、平成19年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業として、医科から「HIV感染症の医療体制の整備に関する研究」(主任研究者:岡 慎一氏、国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター長)、歯科から「歯科のHIV診療体制整備」(分担研究者:前田憲昭氏、大阪府開業)による研究の経過報告が行われ、活動内容や今後の取り組み方が議論されるもの。
 会場には、各都道府県庁の担当者や歯科大学および歯科医療関係の担当者が参集し、HIV感染者の歯科診療体制に関してすでに活動されている県やこれから取り組む県から活動事例や協議事項が報告された。
 冒頭、主任研究者である岡 慎一氏が挨拶し、その後「HIV感染者の現状と医療連携の重要性」と題するプレゼンテーションを行った。岡氏は昨今のHIV感染者増加の現状を報告したうえで、「差別・偏見のない社会づくりや、働きながら治療継続が可能な医療体制の確保が重要である」と述べ、国民への意識を高めるためにも情報伝達の必要性を強調した。
 その後、すでに活動を実施している東京都と神奈川県より報告があり、東京都が平成13年度から実施しているエイズ診療協力医院と歯科診療所間で患者紹介を行う「協力歯科診療所紹介事業」などの紹介や、医療関係者を対象にエイズ講演会を行うことなども報告された。
 各地域によって格差があり、行政の取り組み方もさまざまだったが、HIV感染者に対して安心・安全な歯科医療を提供するために今後の課題が確認できる会であった。