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2019年4月14日

子どもの咬合を考える会、第23回特別講演会開催

「不正咬合を予防する―咬合誘導(育成)は何のために必要なのか?―」をテーマに

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 さる4月14日(日)、京都テルサ テルサホール(京都府)において、子どもの咬合を考える会(井上由貴会長)の第23回特別講演会「不正咬合を予防する―咬合誘導(育成)は何のために必要なのか?―」(三村善郎大会長)が、各務 肇氏(ポール矯正歯科センター所長)を招聘し、開催された。当日の会場はほぼ満席で盛会となった。

 大会長の三村氏の開会の辞に続いて、各務氏が登壇し、講演を行った。各務氏は、長年、不正咬合の予防に取り組んできた第一人者であり、講演では蓄積されたノウハウと症例が惜しみなく披露された。

 講演で各務氏は、咬合誘導は不正咬合を予防することで将来にわたって不定愁訴(体調不良)を生じさせないために行うものであり、見た目のきれいさ(審美)だけを考えるのではなく、健康長寿の基礎となる歯列と咬合の完成を目指すべきであるとした。そのうえで重要となる下顎位(筋肉位)の考え方、舌にストレスをかけない下顎歯列のつくりかた、舌の筋肉を育てることの重要性、できるだけ早期からの反対咬合への対応の必要性などを解説し、特に下顎については舌のためのスペースを狭くしないためにもできるかぎり非抜歯で治療を行うべきと強調した。さらに、呼吸の重要性についても言及し、歯列咬合・舌と呼吸の関係、酸素の取り込み不足がいかに不定愁訴につながるかなどについても述べた。また、ポールスプリントおよび3D装置を用いた症例を多数供覧し、治療における勘所を解説した。終始エネルギッシュな各務氏の講演に、聴衆は熱心に聞き入っていた。

 講演の他にも会員によるパネル発表が行われ盛況だった。最後に会長の井上氏から閉会の辞が述べられ、成功裡に終会となった。

 なお、第24回特別講演会は、有田信一氏(長崎県開業)、関根陽平氏(東京都開業)を招聘し、きたる2020年4月に開催予定とのこと。