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2020年11月22日掲載

初のウェブ開催に約200名が視聴

日本臨床歯科学会東京支部、2020年第1回ステップアップミーティング“Webinar”を開催

日本臨床歯科学会東京支部、2020年第1回ステップアップミーティング“Webinar”を開催
 さる11月22日(日)、日本臨床歯科学会東京支部(大河雅之会長)による2020年第1回ステップアップミーティング“Webinar”がZoomにて開催された。これは、ステップアップミーティング委員会の「コロナ禍でも学術を止めてはならない」という強い思いから実現したもので、今回ステップアップミーティングとしては初のウェブ開催となった。
 
 当日は、武川泰久氏(埼玉県開業)の司会のもとに進行。まず、会長の大河雅之氏(東京都開業)が登壇し、本会は委員会メンバーの手弁当によって運営されていること、今回約200名の視聴があることなどを紹介した。その後、会員発表2題、教育講演1題が行われた。

 会員発表1は、松尾幸一氏(東京都開業)の座長のもと、荻原太郎氏(東京都勤務)が「咬合高径決定に苦慮した症例」と題して講演。臼歯部修復物の脱離や破折、前歯部にコンタクトロスがある患者に対し、原因の考察を行い、咬合再構成を行った症例を提示。今回が初めての発表だったという氏に対し、講演後には先輩歯科医師らから臨床的なアドバイスがなされた。

 つづく会員発表2では、栗原一雄氏(埼玉県開業)の座長のもと、山口宜伸氏(東京都開業)が「上顎多数歯欠損にインプラントを用いて咬合再構成を行った症例」と題して講演。上顎多数歯欠損に対するインプラント補綴を行う際には、審美性、機能性、構造力学、生体親和性を兼ね備えることで長期的予後が良くなるとしたうえで、顔貌、顎位、歯列などの大きな視点からインプラントの埋入本数、深度、位置などを見ていく必要性を述べた。

 3人目の演者として、河合竜志氏(茨城県開業)が「バイオフィルム除去療法におけるマイクロデブライドメントのススメ」と題し教育講演を行った。氏は、マイクロスコープによる拡大視野下でエアフローを用いて行う低侵襲なデブライドメント(マイクロデブライドメント)について、治療動画を多用しながらその有用性を解説するとともに、自院での治療成績も紹介。医院経営の点からも、急患や再発の少ない一般歯科治療とメインテナンスの確立が重要であるとまとめた。

 最後に、副会長の北原信也氏(東京都開業)が閉会の辞を述べるなかで、会員の石渡 亮氏(東京都開業)が逝去したことにふれ、石渡氏が病床でも学術書を読んでいたことなど、氏の臨床家としての姿勢を紹介し冥福を祈った。

 東京SJCD会員にとって若手登竜門の1つであるステップアップミーティング。著名な会員らによるコメントやアドバイスも多数寄せられるなど、会員発表の演者のみならず多くの視聴者にとって明日の臨床につながる貴重な学びの機会となった。

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