2021年7月28日掲載

小牧令二氏が「歯周基本治療での超音波スケーラー活用術」をテーマに講演

クインテッセンス出版株式会社、第12回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第12回WEBINARを開催
 さる7月28日(水)、小牧令二氏(岐阜県開業)によるWEBINAR #12「歯周基本治療での超音波スケーラー活用術」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは2020年11月に刊行された小牧氏の著書『別冊歯科衛生士 もっと使える超音波スケーラー: 知りたかったポイントがよくわかる』の内容をベースに行われた。
 
 まず小牧氏は、超音波スケーラーの概論として生物学的プラーク仮説について言及。口腔内を清掃しても環境が悪ければ一時しのぎにしかならないことから、口腔内環境の改善の必要性を強調した。歯周病の原因となる炎症をなくすためには、主たる原因であるプラークを取り除くことが必要であることから縁上のプラークコントロールの大切さを訴えた。
 
 次に、歯肉縁下のプラークコントロールを行うにあたり、ハンドキュレットはオーバートリートメント傾向で治癒の確実性が高く、超音波スケーラーはアンダートリートメント傾向で効率が良く患者の不快症状が少ないとの特徴を指摘。99%の細菌性毒素が遊離プラークと付着プラークに存在していることを示す研究を供覧しながら歯周病を治すことが最重要としつつ、治療者の技術による器具の使い分けを推奨した。

 その後は、超音波スケーラーのマグネットタイプとピエゾタイプについて解説。重要なポイントとして「使用する面」、「先端からの作業範囲」、「歯面とチップの角度」の3つを挙げ、操作上の注意点や超音波スケーラーの効果にも言及した。最後は、本セミナーのまとめとして、「施術目的の明確化」 と「目的に合わせた器具の選択」の2点を強調し、超音波スケーラーとハンドキュレットはどちらも歯周病を治すために不可欠な器具であることを再確認した。

 講演後の質疑応答では、事前質問も含め概論から手法・応用的な内容まで幅広い質問が寄せられるなか、終了時間を超過してもなお1つひとつていねいに回答するなど、小牧氏の歯周治療にかける強い熱意が感じられる講演となった。

 第13回 WEBINARは、きたる8月25日(水)20時より、柿崎陽介氏(宮崎県開業)を招聘し、「子どもたちが上手に噛める・食べられる・呼吸できるようになる話」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。

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