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2021年8月22日掲載

臨床家らが、ベーシックな内容をわかりやすく解説

大阪大学歯学部同窓会、2021年度若手支援・復帰支援臨床セミナー(第1回)をWeb配信にて開催

大阪大学歯学部同窓会、2021年度若手支援・復帰支援臨床セミナー(第1回)をWeb配信にて開催
 さる8月22日(日)、大阪大学歯学部同窓会(谷口 学会長)による、2021年度若手支援・復帰支援臨床セミナーがWeb配信にて開催され、48名が参加した。

 本セミナーは、臨床研修修了後5年目までの若手歯科医師ならびに臨床からしばらく離れて復帰を目指す歯科医師を対象に、例年であれば講義と実習で基本的な臨床技術や知識の習得を目指すものであるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に鑑み、昨年は残念ながら開催を中止、今年は2回にわたって実習なしのオンライン講義のみでの開催となった。初回の今回は、吉田健二氏(大阪府開業)による「歯内療法をシンプルに考える」、中村俊雄氏(兵庫県開業)による「ステップアップ!支台歯形成」、寺嶋宏曜氏(兵庫県開業)による「歯周治療を楽しもう!」がそれぞれ行われた。

 最初に登壇した吉田氏は、根管治療の目標(原則)として「医原性感染の防止」「感染源の除去」「感染経路の遮断」を挙げ、なかでも「医原性感染の防止」は基本であり、根管治療の成功を左右すると強調。そのうえで、処置中の感染への対策として、器具の滅菌やう蝕・不適合補綴物の除去などの他、ラバーダム防湿のテクニックや導入のヒント、重要性について詳述した。

 続く中村氏は、支台歯形成において切削の技術面向上のためのノウハウを中心に解説。「適度な軸面テーパーの付与」「適切なクリアランスの確保」「適切なフィニッシュラインの位置・形態」が支台歯形成の3原則であるとして、形態のイメージ力を養うことの重要性や、ハンドピースの動かし方、術者の姿勢、レストの取り方など、よく陥りがちな誤り例とともに多数紹介した。

 最後に登壇した寺嶋氏は、「外科治療を除く歯周治療は歯科衛生士の仕事」と誤った認識をしている歯科医師も少なくないとして、歯周基本治療および歯周外科治療におけるさまざまな歯科医師の役割を解説した。プラークリテンションファクターの除去、すなわち口腔内環境整備の面から考えれば、歯科医師に求められていることは少なくないとした。

 講演後の質疑応答では、それぞれの演者に対し質問が挙がり、講演同様わかりやすい説明がなされた。

 なお、本セミナーの2回目は、きたる9月12日(日)に、河原 敬氏、吉備政仁氏(ともに大阪府開業)、須田剛義氏(大阪府勤務)を迎え、Web配信による開催を予定している。

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