2021年10月12日掲載

築山鉄平氏が「GPとDHに聞いてほしいペリオドントロジー2021」のテーマでWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第15回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第15回WEBINARを開催
 さる10月12日(火)、築山鉄平氏(福岡県開業)によるWEBINAR #15「GPとDHに聞いてほしいペリオドントロジー2021」(クインテッセンス出版株式会社主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは築山氏と宮本貴成氏(米国開業/クレイトン大教授)の著書『GPとDHのためのペリオドントロジー』の内容をベースに行われた。

 まず、築山氏は導入として時代の変化による歯科医療のニーズの移り変わりについて解説。1990年代は治療の需要が高く、近年はメインテナンスを中心とする予防へとニーズが変わってきているとした。その後、自院の目標に「来院する患者さんの口腔状態を日本一健康にしたい」を掲げていることを述べ、自院の設備や運営方針を紹介。歯科衛生士、一般開業医(GP)、専門医とで役割を細分化し、患者さんのニーズに対応するための連携を図る歯科医院のモデルが示された。

 次に、メインテナンスの重要性について詳説。仮に患者さんが3か月に1度歯科医院に通院したとしても年4回であり、99%はセルフケアであることを強調。メインテナンスで行うべきことは定期的な機械的プラーク除去ではなく、患者さんみずから口腔ケアに取り組む自立を促していくことであり、セルフケア指導の大切さを訴えた。また、同じ口腔ケアであってもリスクは1人ひとり異なるため、十分に患者情報を収集したうえで、テイラーメイドの予防プログラムをもとに患者さんに向き合うべきと主張した。 

 後半は、自院で実践しているメディカルトリートメントモデルについて言及。歯科医療は、病気の早期発見・治療から疾患のリスクを把握し、早期診断・管理モデルへ移り変わりつつあることを主張しながらそれにともなう日常診療の流れについて解説した。

 最後は、これから社会に求められる全時代型歯科医療のあり方について言及し、自身の目指す歯科医療の形として、ライフコースで異なる病気のリスクを把握し患者さんに生涯にわたり寄り添っていける歯科医療の提供を掲げた。

 講演は終了時間間際まで行われ、質疑応答では、築山氏が終了時間を超過してもなお視聴者の要望に応え、追加でスライドを供覧する場面も見られるなど、盛会となった。

 なお、次回のWEBINAR#16は、きたる10月27日(水)20時より、藤澤政紀氏(明海大歯学部機能保存回復学講座歯科補綴学分野)を招聘し、「前歯部補綴治療の守備範囲を拡げる」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。

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