2021年11月7日掲載

「機能・今日・明日 子どもたちの未来への健康を目指して」をテーマに

日本小児歯科学会、第40回近畿地方会大会をWeb開催

日本小児歯科学会、第40回近畿地方会大会をWeb開催
 さる2021年11月7日(日)より、第40回日本小児歯科学会近畿地方会大会(仲岡佳彦大会長、仲野和彦会長)が「機能・今日・明日 子どもたちの未来への健康を目指して」をテーマにWeb開催されている。

 特別講演では、野井真吾氏(日体大教授)が「子どものからだと心の現状と解決のための仮説的提案」と題して登壇。野井氏が議長を務めるNGO団体「子どものからだと心・連絡会議」での議論もふまえながら、現在の日本の子どもたちが直面しているからだと心の問題を改善するための“仮説的提案”を紹介した。野井氏が述べた仮説的提案は、「光・暗やみ・外遊びのススメ」「ワクワク・ドキドキのススメ」「よい加減のススメ」の3つ。「光・暗やみ・外遊びのススメ」は、子どもたちに起こっているさまざまな問題の背景にある生活習慣の乱れを整えるための提案で、昼間に太陽の光の下で活動し、夜は暗くなる(光を受けない)生活を勧めるもの。「ワクワク・ドキドキのススメ」は、心の育ちの身体的基盤となる脳(とくに前頭葉)の発育を促すために、子どもたちが夢中になり、興奮できるような取り組みを仕かけることを勧めるもの。そして、「よい加減のススメ」は、大人たちも楽しみながら、子どもたちのよい育ちのためにできることに無理をせず「よい加減」に取り組んでいくことを勧めるものである。また、その他にも新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けての休校が、子どものからだと心にどのような影響を及ぼしたかについて、小中学生とその保護者を対象にした調査の結果を基に述べた。

 教育講演では、斎藤一誠氏(朝日大教授)と石田房枝氏(赤ちゃん歯科ネットワーク顧問)が登壇。斎藤氏は「小児の口唇閉鎖不全の現状とコロナ下での今後を考える」と題し、児童虐待の増加や小児の体力および口腔機能の低下などコロナ禍が保育・教育現場に与えた影響について、またマスク生活による小児の口腔の健康や発達への影響と今後の懸念について述べた。石田氏は「口腔機能を健やかに育てるために~小児歯科臨床50年の歩みから見えてきたこと~」と題し、自身の50年にわたる臨床経験のなかで培ってきた口腔機能をより良く育てるためのさまざまな知見を述べつつ、歯が生える前からかかわっていくことや助産師をはじめとした他職種との連携の必要性を強調した。

 その他、歯科衛生士セミナー1題、企業共催セミナー2題、一般発表(展示発表)5題が行われた。なお、大会のWeb配信は11月20日(土)17:00まで行われる。

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