2021年12月11日掲載

「エビデンスに基づくメインテナンス理論」をテーマに

株式会社COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催

株式会社COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催
 さる12月11日(土)、株式会社COCO DentMedical(石原美樹代表)による「米国式歯周治療学・アメリカンアプローチ」と題した全2回のオンラインセミナーが、杉田龍士郎氏(千葉県勤務)を講師に迎え、開催された(振り返り視聴つき)。第2回目となる今回は「エビデンスに基づくメインテナンス理論」のテーマで行われた。杉田氏は、テキサス大学サンアントニオ校歯学部補綴科および歯周病科を卒業し、米国の補綴および歯周病の専門医を取得した国内唯一の人物。現在は千葉県で勤務しつつ、日本での卒後研修やスキルアップのための情報発信に力を入れている。本セミナーには約600名が申し込みをしているが、前回の振り返り視聴の再生回数は1,900回以上にのぼり、人気の高さがうかがえた。

 講演では、「歯周治療の流れのすべてのフェーズにおいてプラークコントロールが大事である」という前回のセミナー内容をおさらいしたうえで、「歯周メインテナンスの定義」「進行リスクの高い部位」「メインテナンス間隔~なぜ3ヵ月?~」「メインテナンスにおけるPMTCの役割」「効果的な口腔衛生指導法」の5部構成で行われた。定義を示すにあたり、米国歯周病学会の定義を引用されたが、氏が訳すとバイアスがかかってしまうことから英文を表示し、その場で1ワードずつ確認しながら本来の定義がどういったものであるかを解説した。日本では、「メインテナンス=PMTC」という認識をもっている人もいるが、定義の中にPMTCの言葉はなく、PMTCが歯周病に寄与するというエビデンスも現在のところ存在しない。歯周メインテナンスの主役はPMTCではなく、質の高い患者教育によるセルフケア向上であると強調し、日々のプラークコントロールの重要性を再確認した。
 
 また今回は、メインテナンス時に杉田氏が実際に行っている口腔衛生指導法が紹介され、患者への説明方法や患者に言ってはいけないNGワードなど、臨床に即役立つ情報を得られる充実した時間となった。

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