2022年5月18日掲載

大月基弘氏が「保険のペリオを極める」のテーマでWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第23回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第23回WEBINARを開催
 さる5月18日(水)、大月基弘氏(大阪府開業)によるWEBINAR #23「保険のペリオを極める」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは『保険のペリオを極める スウェディッシュペリオにならう 結果を残す歯周治療の基本メソッド』の内容をベースに行われた。

 冒頭、大月氏は歯を残す治療を行ううえでの心構えについて言及。特に抜歯するか判断に迷うクエッショナブル歯の扱いについて、患者さんと共有したうえで適切な診断のもとに戦略を練り、治療を行うことの大切さについて述べた。また、歯周治療を行うにあたり注目すべき指標に歯肉炎指数(GI)とbleeding on probing(BOP)を挙げ、GIは縁上のプラークコントロール指標(日々のブラッシングレベル)、BOPは歯肉縁下のバイオフィルムの体積状況を示す指標と両者の違いを説明。治療のゴールには「BOP(-)が続くことを目指す」と歯周治療における指標の解説や判断基準を明示した。

 次に、患者さんに良好なプラークコントロールを行ってもらうための情報共有について解説。「染め出し」は患者さんが目視で状態を確認できることから、動機づけをするうえで有効であると説明しその意義を強調した。また、自院の取り組みとして1歯ごとの診断に基づいた口腔内の評価シートを作成し、歯科衛生士と情報を共有していることを紹介。歯科医師と歯科衛生士とのゴールの共有や、認識の齟齬による不必要な治療の防止など、効率的かつ効果的な治療の実践に寄与する評価シートの有用性を述べた。

 後半は、歯周病の治療と審美性の改善を求める症例を通じて、治療計画に基づいた実際の対応について供覧。1歯ごとの予後判定をふまえ、ベストおよびワーストなシナリオについて提示した治療計画や、「矯正はしたくない」という患者さんの要望をふまえたゴールの共有・設定など、臨床経過に即して具体的にわかりやすく解説した。

 講演後の質疑応答では、スタッフとの連携についての質問に対し、自院で行っている取り組みについて紹介。医院のレベルアップのための情報共有として勉強会を継続的に行っていることを挙げ、人としての信頼関係を築くことの重要性を述べた。

 なお、次回のWEBINAR #24は、WEBINAR #21「保険のエンドを極める」(牛窪敏博氏)およびWEBINAR #23「保険のペリオを極める」(大月基弘氏)の両セミナー受講者限定で、きたる6月1日(水)、牛窪建介氏、牛窪敏博氏、大月基弘氏(いずれも大阪府開業)を招聘し、「保険のエンド・ペリオを極める」をテーマに開催予定である(受講料無料)。申し込みはこちらから。WEBINAR #23「保険のペリオを極める」の振り返り視聴は2022年6月3日(金)まで。

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