2022年9月18日掲載

昨年に引き続き天野敦雄氏を招聘し、大好評を博す

日本臨床歯科学会東京支部、Webハイジニストミーティングを開催

日本臨床歯科学会東京支部、Webハイジニストミーティングを開催
 さる9月18日(日)、日本臨床歯科学会東京支部(大河雅之会長)によるWebハイジニストミーティングが開催された。2年連続でWeb開催となった今回は、昨年大好評を博した天野敦雄氏(阪大大学院歯学研究科予防歯科学教室教授)が再度招聘され、「信頼され愛されるマイ・歯科衛生士になるための5つのポイント!」と題して講演が行われた。

 演題のとおり、5つのポイントをふまえた構成で講演した天野氏。1つめのポイントとして、う蝕の病因論について、「ミュータンス連鎖球菌と砂糖だけで発症するのではない」と前置きしたうえで、う蝕原生菌、う蝕誘発成分(発酵性糖質)が多岐にわたること、食後は唾液が減少するため脱灰が進むことなどを示した。

 そのうえで、2つめのポイントとして、う蝕の予防方法を整理。先に述べた理由から、食後すぐにブラッシングを行うことが重要であるとしたほか、フッ化物の使用、飲食物への注意、根面う蝕への対応なども紹介した。特に、高齢者に多い根面う蝕においては、歯冠う蝕と同様にフッ化物の使用が有効で、その中でもサホライドを推奨した。

 次に、3つめのポイントとして、歯周病の病因論を解説。歯周ポケットからの出血によって、P.g.菌をはじめとする歯周病菌が高病原化することで発症につながるということで、歯科衛生士による歯周治療の目標は出血を止めることと強調した。昨年の講演でも好評の内容だったが、参加者にとっては復習の良い機会にもなったようだ。

 続いて、4つめのポイントとして、咬合性外傷について解説。歯周治療の効果を左右するため、歯科衛生士にとっても必須の知識であるとしたうえで、分類や診査の方法などを提示。特に、診査の方法については、フレミタスの確認や、フロスを使った確認について、関連の動画も供覧した。

 最後に、5つめのポイントとして、お口ポカン(口呼吸)による弊害や予防法についても示したほか、腸内細菌叢に関するトピックスなど多岐にわたる情報を紹介し、参加者の関心を終始引きつけた。

 このほか、三木和子氏(天川デンタルオフィス外苑前、歯科衛生士)が「マイクロスコープを使用したハイジーンワークのすすめ」と題して会員発表を行った。マイクロスコープの最大の特長として、スタッフ・患者との情報共有を挙げたうえで、初診時からマイクロスコープを使用した症例などをふまえて自身の取り組みを披露した。

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