2022年9月23日掲載

「国民から信頼される口腔インプラント治療〜時代を超える知と技の探求〜」をテーマに

(公社)日本口腔インプラント学会、第52回学術大会を開催

(公社)日本口腔インプラント学会、第52回学術大会を開催
 さる9月23日(金)から25日(日)までの3日間、名古屋国際会議場(愛知県)において、第52回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会(村上 弘大会長、細川隆司理事長)が「国民から信頼される口腔インプラント治療〜時代を超える知と技の探求〜」をテーマに開催された。新型コロナウイルス感染症対策を十分にとりながら3年ぶりの現地開催が実現し、3,700名(速報値)を超える歯科医療従事者が参集した。

 シンポジウム1「上顎インプラントオーバーデンチャーを成功に導くための条件とは?」には、田中譲治氏(千葉県開業)と正木千尋氏(九歯大)の座長のもと、金澤 学氏(医歯大)、亀田行雄氏(埼玉県開業)、永田省藏氏(熊本県開業)が登壇。金澤氏は下顎IODに比べて上顎IODに関するエビデンスは少ないとしながらも、現在までに報告されている文献から示唆される上顎IODを成功に導く条件を提示した。続く亀田氏は「上減の歯列」の進行を食い止めるためのIARPDの適用について、症例ベースで解説した。最後に永田氏は上顎IODの問題点とその対応について自身の失敗症例などを供覧しながら述べた。ディスカッションでは、上顎IODにおけるインプラントの連結/非連結の是非や埋入ポジション、使用するインプラントのサイズなどについて多数の質問が寄せられ、議論が繰り広げられた。
 
 シンポジウム7「インプラントの撤去基準を患者目線・術者目線で考える」は、草野 薫氏(大歯大)と小倉 晋氏(日歯大病院)の座長のもと、松井孝道氏(宮崎県開業)、正木千尋氏(九歯大)、廣安一彦氏(日歯大新潟病院)が登壇し、それぞれ歯周病学的立場、補綴学的立場、口腔外科学的立場から考えるインプラントの撤去基準について講演を行った。撤去にあたり、対象となるインプラントが機能しているかどうか、口腔内に害をもたらす状態かどうかなどが1つの基準となることが考えられるが、実臨床においてはそれに加えて患者の年齢や全身の健康状態、要望などさまざまな点を考慮し撤去を決定する必要のあることが確認された。

 また、特別講演「日本を語る」では、岸田文雄氏(内閣総理大臣)がビデオ出演にて挨拶を述べるなどのサプライズもあった。

 台風接近による交通機関の運行状況に影響され、一部のプログラムが変更となるなどしたものの、特別講演、特別シンポジウム、シンポジウム、委員会セミナー、教育講座、イブニングセミナー、モーニングセミナー、一般口演、ポスター発表などプログラムは多岐にわたり、展示ブースも含め終日盛況となった。

 なお次回学術大会は、きたる2023年9月15日(金)から17日(日)の3日間、札幌コンベンションセンター(北海道)において、横山敦郎大会長(北大大学院)のもと開催予定。

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