2022年10月15日掲載

「形態・色彩・機能、三位一体の歯科審美」をテーマ

日本歯科審美学会、第33回学術大会を開催

日本歯科審美学会、第33回学術大会を開催
 さる10月15日(土)、16日(日)の両日、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館(新潟県)において、日本歯科審美学会第33回学術大会(新海航一大会長、大槻昌幸理事長)が開催され、448名の参加者がつめかけた。

 「シンポジウム1 長期的耐久性を考慮した ダイレクトレストレーション」では、田代浩史氏(静岡県開業)、菅原佳広氏(新潟県開業)、須崎 明氏(愛知県開業)が講演。須崎氏は「う窩の開拡を再考する 長期予後の安定を目指したCR修復」と題して、う窩の開拡時にエナメル質の咬合接触点を残して、CR修復の接着界面への引っ張り応力を軽減して予後の安定を目指すための、う窩の開拡法について解説。う蝕を削除する際には、咬合接触がない部分から歯質を除去し、たとえ唇側から除去することになったとしても、ベベルを付与して修復することで審美的に修復できると述べた。一般歯科医が目指すのは、「理想咬合」ではなく、叢生などの歯列不正や歯列弓の偏位や湾曲などには関係なく、咀嚼器官が有効に活動し機能上の問題がないとされる「正常咬合」であるとまとめた。

 特別講演「人生100年時代、粧うことで自分らしく健康に」では、高齢者施設での「化粧療法」に取り組み成果をあげてきた池山和幸氏(医学博士・介護福祉士、資生堂 ダイバーシティ&インクルージョン戦略推進部)が登壇。「化粧療法とは」「オーラルフレイル予防との関連」「オーラルフレイルに化粧療法を」の3本を柱に、化粧療法を通じた高齢者の自立とQOLの向上、そしてオーラルフレイルの予防や心理的効果などについて解説。実践のためのポイントとして、口腔乾燥に対する唾液腺マッサージを兼ねたクリーム類の塗布法、側頭筋のマッサージを兼ねたヘアブラッシングなど、すぐに試せるテクニックについても示された。

 会場ではその他シンポジウムなど、一般講演7題、ポスター発表51題も行われ、いずれも盛況となっていた。

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