2022年11月7日掲載

日歯の甦生に向けた改革プロジェクトをアピール

小林慶太氏、日歯次期会長予備選挙に出馬表明

小林慶太氏、日歯次期会長予備選挙に出馬表明
 さる11月7日(月)、ホテルメトロポリタンエドモンド(東京都)において、日本歯科医師会(以下、日歯)の次期会長予備選挙に出馬の意向を表明した小林慶太氏(千葉県開業、元日歯常務理事)による記者会見が開催された。

 会見の席上、小林氏より10月16日付けで都道府県歯科医師会会長日歯代議員宛に立候補趣意書を発送し、正式に立候補を表明したことが報告された。そして、「現在の停滞する歯科界において、多くの歯科医師が将来に不安を感じている。財源不足を理由に医療現場で活躍している歯科医師会会員にしわ寄せがきている現状に危機感をおぼえた」との立候補に至った経緯が述べられた。

 続いて、小林氏は日歯の指導力が著しく低下していることに警鐘を鳴らし、現状を打開する5つの戦略として、1)日歯会員平均年齢60歳・組織率60%の改善、2)日歯・日本歯科医師連盟・日本歯科医学会、3本の矢の一体、3)歯科医療に関連するIT化の推進、4)歯科経営の健全化、5)歯科医療従事者の人材育成――に言及。そして、5つの戦略を実現するための「基本方針4つの柱」として1)組織率の回復、2)戦略的シンクタンクの設置、3)会員の利益となる歯科ITの促進、4)事務局機能の強化――を提示するなど、小林氏が見据えた日歯を体現させるための政策方針が示された。

 その後は、小林氏がもっとも重要な柱として強調する「組織率の回復」へ導く組織率改善の戦略と具体的な取り組みについて詳説。日歯の存在意義を日歯会員にアピールすることで支持を集め、帰属意識をもてる組織づくりの実現を目指すこと。具体的なアクションには、「卒後早期の入会を促すことを目的に各大学で講演を行い、学生のうちから日歯の活動を刷り込むこと」や「学術的エビデンスに基づいた適正な診療報酬を実現し、歯科医院経営の安定化への寄与」などが述べられた。

 小林氏は2015年6月から2019年6月まで日歯常務理事を務め、堀 憲郎氏(現日歯会長)をはじめとするこれまでの日歯会長の下で実務を積んだ経験はアピールポイントとなるだろう。次期日歯会長予備選挙の今後の動向に注目したい。

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