2022年11月19日掲載

「近未来を見据えた歯科技工の技術革新」をテーマに

日本歯科技工学会第44回学術大会開催

日本歯科技工学会第44回学術大会開催
 さる11月19日(土)、20日(日)の両日、日本歯科技工学会第44回学術大会(石川功和大会長)が「近未来を見据えた歯科技工の技術革新」を大会テーマにWeb配信にて開催された。第44回目を数える今大会では、専門歯科技工士講習会、基調講演、4つのシンポジウム、特別講演、故桑田正博氏の追悼シンポジウム、2つの企画講演が行われ、11月19日(土)から27日(日)の期間のオンデマンド配信ではe-ポスター講演、e-テーブルクリニック、e-デモンストレーションが行われる。

 1日目には開会式に先駆け専門歯科技工士講習会として松井哲也氏(歯科技工士、ハーテック・デンタルサービス)による「保険歯科診療における材料料と技術料のしくみ」、開会式後は基調講演として石川功和氏(歯科技工士、IAC)による「近未来を見据えた歯科技工の技術革新」、その後、シンポジウム1「これからの歯科技工士の医療技術者としてのミッション」では下江宰司氏(歯科技工士、広大大学院医系科学研究科生体構造・機能修復学分野)による「歯科医療の安全と安心に貢献するために」、山下茂子氏(歯科技工士、デンタルデジタルオペレーション)による「これからの歯科技工士の医療技術者としてのミッション」、シンポジウム2「デジタルテクノロジーの現状と展望」では藤松 剛氏(歯科技工士、S.T.F)による「デジタルワークフローにおける誤差と要因」、藤原芳生氏(歯科技工士、医科歯科技研)による「デジタル技工にラボスキャナは必要か?」、最後に特別講演として大久保力廣氏(鶴見大歯学部有床義歯補綴学講座)による「磁性アタッチメント義歯を成功させるための要訣」が行われた。

 2日目は、追悼シンポジウム「歯科界の巨匠 桑田正博氏を偲んで……」では末瀬一彦氏(大歯大)による「小さな巨人 桑田正博先生の思い」、陸 誠氏(歯科技工士、コアデンタルラボ横浜)による「桑田正博先生からいただいたすべてに感謝」、北原信也氏(東京都開業)による「世界の巨人桑田正博先生と歩む」、シンポジウム3「ジルコニアをどう活かすか?」では、山田和伸氏(歯科技工士、カスプデンタルサプライ/カナレテクニカルセンター)による「フルジルコニア修復における臨床の勘どころ」、佐藤洋平氏(鶴見大歯学部有床義歯補綴学講座)による「より強く,より美しく,より便利に-治療法を変革させるジルコニア-」、企画講演1として田中昌弘氏(歯科技工士、LAB QUALITY)による「初心者向け全部床義歯」、企画講演2として野本秀材氏(東京都開業)による「デジタルネットワークにおける歯科技工士の役割」、シンポジウム4「歯科技工における 3D プリンターの活かし方」では一志恒太氏(歯科技工士、福歯大医科歯科総合病院中央技工室)による「3D プリンターを歯科技工に応用する際の条件と方法」、樋口鎮央氏(歯科技工士、大歯大医療保健学部口腔工学科)による「歯科技工における 3D プリンターの活用の現状」が行われた。

 本学会はさまざま視点から臨床的なプログラムが組まれており、日々の臨床に活かせるトピックが豊富だった。また、大会テーマにあるように、デジタル化が進んでいくなかでそれぞれが今後の歯科技工士像を描いていくためのヒントが得られたのではないだろうか。

 なお、来年の日本歯科技工学会学術大会は福岡県で行われる予定とのこと。

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