2022年11月26日掲載

「予防矯正にロマンを求めて」をテーマに

JOSG日本一般臨床医矯正研究会創設41周年記念学術大会

JOSG日本一般臨床医矯正研究会創設41周年記念学術大会
 さる11月26日(土)、27日(日)の2日間、御茶ノ水ソラシティホール(東京都)において、JOSG日本一般臨床医矯正研究会創設41周年記念学術大会(染谷博宣大会長、勝沼 稔会長)が、「予防矯正にロマンを求めて」をテーマに開催され、220名の参加者が会場に詰めかけた。昨年、創設40周年記念大会を催す予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため先送りとなり、今回開催するに至った。

 染谷大会長(群馬県開業)との勝沼会長(埼玉県開業)より開会の挨拶から始まり、連続講演、教育講演、特別講演、基調講演など、記念学術大会にふさわしい充実したプログラムが組まれた。

 初日の連続講演では、本研究会の顧問である各務 肇氏(東京都開業)が登壇し、「少しでも不定愁訴のない健康を維持するための、究極の予防矯正とは・・・」と題して両日にわたり3部構成の講演を行った。第1部では主に不定愁訴と予防矯正の考え方について述べた。

 続いて、教育講演Ⅰでは「早期治療に用いた拡大スクリューつきエフ・カー・オー(FKO)の想定外効果」と題して福原達郎氏(昭和大名誉教授)が登壇予定だったが、体調不良のため各務氏が代役を担い、引き続き講演を行った。

 次に、特別講演では川本達雄氏(大歯大名誉教授)の座長のもと「“歯が並んでいること”と“噛めること”」と題して筒井照子氏(福岡県開業)が登壇し、今一度“歯が並んでいること”と“それがうまく機能できているか”の両方を診る目をもつことの大切さを説いた。

 2日目は、各務氏による第2部の連続講演からスタートし、主に下顎と下顎歯列の考え方および治療法について解説した。続いて、勝沼氏の座長のもと、小佐々晴夫氏(京都府開業)が基調講演「My Way から Our Way へ―SDG’s と 予防矯正―」と題して、小佐々氏が生涯師事とするDr. Daryl Beachの考えや理論を紐解きながら、持続可能な医療にしていくのは何が必要かと説いた。続いて、山口秀晴氏(東京都開業)の座長のもと、教育講演Ⅱでは清水清恵氏(東京都開業)が「乳幼児期からの口腔機能発達支援の実際と課題」と題して、氏が日頃行っているMFTを応用した口腔機能のアプローチを紹介し、口腔機能発達不全症の兆候をよく観察し、一人ひとりに見合った指導が大事だと述べた。引き続き、教育講演Ⅲでは三村善郎氏(京都府開業)が「成長発育期の予防矯正」と題し、10歳から12歳の混合歯列後期の3症例を供覧し、咬合誘導とその治療方針について詳説した。

 最後に連続講演の第3部として各務氏が再登壇し、あらためて予防矯正の必要性を説き、熱気に包まれたまま閉会となった。

 顧問の各務氏は80歳を迎えても衰えを見せないエネルギッシュな講演で、今後ますます研究会の発展に期待がもたれる。

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