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2022年12月7日掲載

尾島賢治氏が「アライナーを用いた総合歯科治療」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、「JAO日本版」創刊1周年記念Webセミナー(第3回)を開催

クインテッセンス出版株式会社、「JAO日本版」創刊1周年記念Webセミナー(第3回)を開催
 さる12月7日(水)、クインテッセンス出版社が刊行するアライナー矯正歯科専門誌「JAO(Journal of Aligner Orthodontics)日本版」創刊記念1周年Webセミナー(全5回)(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)の第3回目が開催され、尾島賢治氏(東京都開業)が「アライナーを用いた総合歯科治療」をテーマに講演を行った。

 冒頭、尾島氏よりJAO英語版編集委員長のWerner Schupp氏(ドイツ・ケルン開業)と世界各国のアライナー矯正歯科関連の学術団体について紹介が行われた。その中でこれらの学会の公式論文誌としてJAO英語版が2017年に、そうした知見が日本語で読めるJAO日本版が2021年に創刊になったと振り返った。また、本年度のアメリカ矯正歯科学会学術大会の現地での様子も紹介し、国際的にアライナー矯正治療のニーズが非常に高まっている点についても言及した。

 その後、氏はアライナー矯正治療のあり方について、「いきなりアライナーを装着して歯を動かすのではなく、顎位や関節、下顎頭の位置、筋肉といった患者の解剖学的状態を正確に把握して機能的分析を行うことが必要である」とし、大部分がデジタルによって成り立つアライナー矯正治療においても、「デジタルのデータに頼りきりになるのではなく、患者の症状を詳細に分析してからの治療開始を念頭に置くべきである」と強調した。また、ClinCheckは治療のシミュレーションをわかりやすく表示するソフトウェアであるが、それだけを見て歯を移動する危険性についても警鐘を鳴らした。顔貌写真、STLによる三次元モデル、皮質骨と海綿骨がわかるCBCTなどを連動して、より深い分析に基づく治療の必要性に言及した。

 それに続いて、5つの治療レベル別に分けた開咬症例へのアプローチ(JAO日本版2022年1号2号に掲載)について紹介し、さらにアライナーの得意とする動きとバイオメカニクスを考慮したアタッチメント装着についても、実際の症例写真を提示しながらメソッドを解説した。

 さらに、アライナー型矯正装置の歴史を概観するとともに、今後の可能性について第5世代のアライナーシステムやマテリアルの使用例を提示しながら言及した。最後はアライナー矯正治療への知見を広げ、また国際的な指標を知るためにも小誌JAO日本版を読み勉強していくことを奨励して閉会となった。

 なお、今後の「JAO日本版」創刊1周年記念Webセミナーは、第5回が12月21日(水)に佐本 博氏(東京都開業)を迎えて開催される。受講料は無料、申し込みはこちらから。また、これまで配信した4回を含めた全5回すべてのセミナーは、各回の開催翌日より2023年1月12日まで振り返り配信を行っている。

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