2022年12月15日掲載

HPKIカードの導入に向け、需要検証事業の実施へ

日歯、年内最後となる定例会見を開催

日歯、年内最後となる定例会見を開催
 さる12月15日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による定例記者会見が開催された。

 冒頭、堀会長よりオンライン資格確認の対応における現状報告が行われた。2023年の8月に取りまとめられる予定の中医協答申を見据え、2022年12月中にオンライン資格確認の導入状況について調査を実施し、地域医療に支障を生ずるやむを得ないケースにおける対応については、期限も含め厚労省より方針案が検討されるとのこと。堀会長は、本対応について「現場で混乱が起きぬよう、日歯として現場の声を主張し理解が得られるよう努めたい」と述べた。

 次に、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改訂を含む「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」が12月2日、第210回臨時国会にて成立したことが報告された。本法は、厚生労働大臣の要請による歯科医師のワクチン接種について、実質的違法性阻却を認める方向で検討されている法制度であり、近日中に厚労省より局長文書が提示される予定であると説明がなされた。

 続いて、柳川忠廣副会長より2023年1月より運用が開始される電子処方せんサービスにおいて用いられるHPKIカード(電子処方せんの発行や地域医療連携で必要となる認証に使われる証明書)の運用概要が解説された。MEDIS(一般社団法人医療情報システム開発センター)に事業を委託し、審査や登録、カードの発行などの一連の業務を担う。なお、本サービスは、今後のHPKIカードのあり方と利用頻度を検証し、需要の有無の調査を目的に実施される。また、HPKIカードの発行にかかる経費について国と日歯が一部負担し、低コストで提供する方針であることが補足された。

 その後、尾松素樹常務理事より各国の歯科医師や歯科医学研究者、学生の国際学術交流を通じ歯科の発展に寄与することを目的とした助成金(日歯国際学術交流基金)の2023年度の助成者の決定について報告がなされた。

 最後に、小山茂幸常務理事より2023年度から創設予定の「健康スマイル推進優良法人推賞制度」の紹介が行われた。本制度は、口腔の健康増進に積極的に取り組んでいる企業をはじめとする法人を表彰することで、より多くの法人が口腔の健康増進活動に積極的に取り組むことを目的としている。なお、きたる2023年3月7日、都内にて「健康スマイル推進優良法人表彰式・記念セミナー」が開催予定である。

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