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2022年12月21日掲載

佐本 博氏が「ディープバイト治療におけるバーティカルコントロールと歯肉退縮の予防」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、「JAO日本版」創刊1周年記念Webセミナー(第5回)を開催

クインテッセンス出版株式会社、「JAO日本版」創刊1周年記念Webセミナー(第5回)を開催
 さる12月21日(水)、アライナー矯正歯科専門誌「JAO(Journal of Aligner Orthodontics)日本版」創刊1周年記念Webセミナー(全5回)(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)の第5回目が開催され、佐本 博氏(東京都開業)が「ディープバイト治療におけるバーティカルコントロールと歯肉退縮の予防」をテーマに講演を行った。

 佐本氏は、自身のもつ過蓋咬合に対するアライナー矯正治療におけるバーティカルディメンションの考え方と治療中に生じた歯肉退縮のリカバリー法(同内容はJAO日本版2022年3号に掲載)というテーマを軸に講演を行った。まずバーティカルディメンションについては、治療ゴールを検討するうえでの4つのポイントとしてバーティカルディメンション(前歯・臼歯部の垂直的な位置関係)、ホリゾンタルディメンション(前歯・臼歯部の水平的な位置関係)、トランスバースディメンション(歯列弓の拡大)、そしてClinCheckによるデザインを挙げ、その理論の基となる海外の研究を簡単に解説した。さらにこの理論を基に氏が行った実際の治療が供覧された。

 歯肉退縮については、CBCT画像の診査により予防が可能であるとしながらも、唇側への歯肉退縮が起きてしまった場合の対処として(1)歯の位置を舌側に戻す(ボーンハウジング内に入れる)、(2)Ⅱ級ゴムの使用をなるべく避ける、(3)前歯のルートトルクを段階的に行うことによって歯肉の再生を図るという3点を挙げた。そしてこの対処法をアライナー矯正治療にて実践した4症例の詳解において、氏の試行錯誤の結果が示された。また、歯肉退縮発生後に初診時の位置に歯を戻せたとしても、必ずしも歯肉の完全な回復は約束されるものではないこと、骨再生がともなわなくても上皮性付着により歯肉退縮改善の可能性はありうることが述べられた。

 最後は、初診時にCBCTやCBCT画像統合型治療シミュレーションソフトなどを活用し、歯根がもっとも唇側位にある下顎前歯部の唇側の骨形態を把握しリスクを予想すること、そして万が一歯肉退縮が生じてしまった場合には適切な対処法を採ることを強調し、結びの言葉とした。

 なお、これまで配信した全5回のセミナーは、2023年1月12日まで振り返り配信を行っている。視聴申し込みはこちらから。

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