2023年1月24日掲載

外部講師に谷口祐介氏を招聘

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催
 さる1月24日(火)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐会長)によるWebセミナーが開催され、歯科医療関係者を中心に50名以上が参加した。

 2023年最初となる今回は、外部講師として招聘された谷口祐介氏(福歯大咬合修復学講座口腔インプラント学分野講師)による講演「インプラント治療後に長時間経過した患者の問題点と対応法について」が行われた。

 谷口氏は、前半の導入として、インプラント治療の流れからメインテナンス時の検査項目、インプラント周囲組織の変化に気づくために不可欠な上部構造(スクリュー固定とセメント固定の特徴)の把握など、インプラントに関する基本的な知識について概説。また、年々増加傾向にあり、訪問歯科診療の現場でも遭遇するインプラント周囲炎を含めた合併症への対応法について、機械的清掃や殺菌的清掃、抗菌治療など文献も交えながらわかりやすく解説した。

 後半では、実際にインプラント周囲炎に罹患した患者に対する症例を供覧。口腔ケアとインプラント除去で対応した症例や、残存したインプラントを活用する方法、患者さんの口腔状態に配慮した対応法や専門医との連携などを紹介した。また、訪問歯科医の約3割がインプラント未経験でトラブルに対応することが困難なことから、自身が携わった研究「インプラント訪問対応医療資源マップ」も紹介するなど、多岐にわたる内容は参加者の関心を集めた。さらには、通院困難になったインプラント患者へのアプローチとして、オンライン診療やデジタル化の活用も挙げた。

 最後に、超高齢社会の中でのインプラント治療のあり方として、訪問歯科診療の現場における治療やインプラントを管理しやすい環境整備といった、今後の展開にも言及するなど充実した内容が披露され盛会となった。

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