2023年1月29日掲載

「歯を守る栄養、歯が守る栄養」をテーマに

POPS研究会、第5回特別例会をWeb配信にて開催

POPS研究会、第5回特別例会をWeb配信にて開催
 さる1月29日(日)、POPS研究会第5回特別例会(呉 沢哲代表)が「歯を守る栄養、歯が守る栄養」をテーマにWeb配信にて開催され、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士らが参加し盛会となった。

 POPS研究会の名称「POPS」とは、Perpetual(永続的な)・Oral(口腔と)・Physical(全身の)・Salutogenesis(健康増進の医学)の頭文字の略。近年、口腔と全身の密接なかかわりを証明するエビデンスが国内外から多数蓄積されてきたなか、予防歯科や保健指導によって、心身の健康を継続的に維持できる健康増進型歯科医院の輪を広げて、歯科医院から生活者の健康増進に貢献することをミッションに掲げている会である。

 第5回目を迎えた今回は、昨年に引き続きWeb配信による開催となった。まず、代表の呉氏(大阪府開業)が開会の挨拶に立ち、今回の招聘演者である花田信弘氏(上海理工大特任教授)について紹介。その後、花田氏が「『歯を守る栄養』と『歯が守る栄養』」と題して講演。糖質がう蝕に関連するだけでなく、最近の文献では歯周病にも関連することが示されていることから、歯科医院に来院する患者は糖質制限をする必要があると認識したうえで、歯科医院として保健指導などのアプローチをすることが重要と説いた。

 つづいて、「歯科医院で栄養を活かした保健指導」と題して呉氏が講演。呉氏の歯科医院で管理栄養士がどのように患者に介入し、どのような結果を出しているかについて、実際の臨床例をとおしてわかりやすく解説した。その後、花田氏が「国民皆歯科健診の展望と可能性」と題して講演。これからの時代は口腔保健と医学健康管理との統合である“Total Health Dentistry(総合健康歯科)”が重要であると述べたうえで、地域包括ケアシステムと国民皆歯科健診がスタートするといわれる2025年は大きな節目の年になるだろうとまとめた。

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