2023年3月26日掲載

歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士、約130名が秋田に参集

秋田一水会オープンセミナー「AKITA DENTAL Collaborations 2023」開催

秋田一水会オープンセミナー「AKITA DENTAL Collaborations 2023」開催
 さる3月26日(日)、秋田市文化創造館(秋田県)において、秋田県のスタディグループである一水会(斎藤隆輔会長)によるオープンセミナー「AKITA DENTAL Collaborations 2023」が開催され、約130名が参集した。一水会は歯科医師と歯科技工士がともに学ぶスタディグループであり、本会でも「collaborations」のタイトルどおり、歯科医師と歯科技工士のコンビが中心のプログラムが組まれていた。

 最初に登壇したのは、「Clinical utilization of digital cross mount」と題して講演を行った柏木 了氏(秋田県開業)と菅野雅人氏(歯科技工士、miyabi)。CAD/CAM技工において正確なマージンで補綴装置を製作するために行っているIOSデータとアナログ印象から製作した模型データとのスーパーインポーズ、またアナログにおけるクロスマウントをデジタルで再現する方法を紹介した。

 2組目は「Team approach against the implant supported restoration in the esthetic zone.」と題して講演を行った奥田浩規氏(兵庫県開業)と伊藤彰規氏(歯科技工士、奥田歯科医院)。前歯部インプラント治療における検査・診断、トップダウントリートメントの重要性について述べ、特にインプラント間の歯間乳頭温存について文献を引用しつつ解説した。

 3組目は「All on 4治療における各専門スタッフの役割~歯科医師、放射線技師、歯科技工士を中心に~」と題して講演を行った相場隆広氏(秋田県開業)と窪目昌太氏(放射線技師、あいば歯科)と佐々木祐幸氏(歯科技工士、あいば歯科)。前半は相場氏がAll on 4治療を失敗しないために絶対に守るべきルールを紹介し、それを受けて放射線技師の窪目氏と歯科技工士の佐々木祐幸氏が、あいば歯科でのAll on 4治療においてのそれぞれの役割について解説した。

 4組目は「木を見ず、森を見ず、枝を見る」と題して講演を行った佐々木俊哉氏と佐藤洋司氏(ともに秋田県開業)。先に登壇した佐々木俊哉氏は、自身が過去に行ってきたラミネートベニア治療における支台歯色の分類や歯肉色の分類を解説し、その後、審美修復治療におけるさまざまな基準を紹介した。続いて登壇した佐藤洋司氏は、自身が17年前に行った前歯部のインプラント治療を供覧し、「このケースに対して現在の自分がアドバイスをするなら」というテーマで、当時と現在の治療に対する考え方の違いを解説した。

 5組目は「MI adhesive restoration that takes advantage of material characteristics.」と題して講演を行った吉木雄一朗氏(愛知県開業)と鬼頭寛之氏(歯科技工士、CURA ESTHETIC DENTAL CENTER)。過去に酸蝕症患者に対して二ケイ酸リチウムで製作したサンドイッチベニアで対応したケースを紹介したうえで、最近取り組んだケースとして同じく酸蝕症患者に対してジルコニアを用いたサンドイッチベニアで対応したケースを紹介した。

 最後に登壇したのは「ラボコミュニケーションの必要性と治療のステージにおけるお互いの決定事項」と題して講演を行った斎藤氏(秋田県開業)と佐藤宏敏氏(歯科技工士、Luminous Dental Labo)。斎藤氏と佐藤宏敏氏を含むLuminous Dental Laboが初めて一緒に治療を行った咬合再構成症例を例に挙げ、治療の各ステージにおいて歯科医師と歯科技工士がどのようなコミュニケーションを行うべきかについて具体的に解説した。

 日曜日の講演会に先駆けて土曜日には鬼頭氏によるハンズオンセミナー、佐藤令菜氏(歯科衛生士、Dental Fairy)による歯科衛生士向けセミナーが行われ、30社を超えるメーカーブースが並ぶなど、非常に盛況な会となった。今後も秋田の地から、どのような発信をしてくれるのかを期待したい。

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