2023年4月21日掲載

「ビッグデータが拓く未来の医学と医療~豊かな人生100年時代を求めて~」をテーマに

第31回日本医学会総会2023東京が開催

第31回日本医学会総会2023東京が開催
 さる4月21日(金)から23日(日)、までの3日間、東京国際フォーラムおよび丸の内・有楽町エリア(すべて東京都)において、第31回日本医学会総会2023東京(日本医学会主催、春日雅人会頭)が、「ビッグデータが拓く未来の医学と医療~豊かな人生100年時代を求めて~」をテーマに、一部講演はWeb配信に対応するハイブリット形式で開催された。1902年の第1回大会が開催されて以来、4年毎に開催されている学会総会であり、医療職種のみならず研究者、学生そして一般市民も参加可能な議論の場として期待されている。

 歯科における主な講演では、初日の特別講演として堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)が「健康寿命の延伸に向けて~口腔の健康と全身の健康~」、井上恵司氏(東京都歯科医師会会長)が「障がい者歯科医療への東京都歯科医師会の取り組み」、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)が「健康寿命延伸のために連携強化を推進しよう―日本歯科医学会の事業活動―」と題し講演を行った。なお、2日目にはシンポジウム3題、最終日には市民向けセッション1題が行われた。

 2日目午前のシンポジウムでは、尾松素樹氏(日本歯科医師会常務理事)と星 和人氏(医師、東大大学院医学系研究科)を座長に据え、「人生100年時代に向けた医学と医療、超高齢社会における生活習慣病対策―歯科の立場から」と題し、相田 潤氏(医歯大大学院健康推進歯学分野)、恒石美登里氏(日本歯科総合研究機構主任研究員)、西田 亙氏(医師、にしだわたる糖尿病内科)、小方頼昌氏(日大松戸歯学部)、星氏が登壇。それぞれの切り口から歯科からアプローチできる認知症や糖尿病をはじめとする全身疾患に言及し、データを示しながら噛むことや口腔ケアの重要性を解説した。その後の総合討論では、医科歯科連携の推進をテーマに議論が展開され、周術期等口腔機能管理料の算定数を増やしていくことや医科と歯科のデータを共有し、双方の理解を深めることなどがポイントとして挙げられた。

 午後の歯科医師会企画シンポジウムでは、大泉 誠氏(東京都歯科医師会)を座長に据え、「周術期対応における医科・歯科連携にどう取り組むべきなのか」と題し、片倉 朗氏(東歯大口腔病態外科学講座)、小松本 悟氏(医師、足利赤十字病院、藤田医科大学)が登壇。片倉氏は、周術期の口腔機能管理に言及し、病床数の少ない病院では特に連携が図れていない現状とともに、病院歯科の存在意義を強調した。小松本氏は、病院経営の観点からみた医科歯科連携について述べ、歯科単独の診療報酬は高くないものの、口腔ケアが病床回転率に貢献していることや数字では表せない付加価値の高さをアピールした。

 本総会の学術プログラムは、特別講演16題、会頭特別企画8題、5つのテーマによるセッション50題、U40委員会企画11題、市民向けセッション19題と多彩なテーマによる講演が多数行われた。幅広い分野における有識者が一堂に参集し、それぞれの立場から有意義な意見交換が交わされ盛況となった。

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