2023年6月24日掲載

「再生療法NEXT STEP」をメインテーマに

日本臨床歯周病学会、第41回年次大会を開催

日本臨床歯周病学会、第41回年次大会を開催
 さる6月24日(土)、25日(日)の両日、福岡国際会議場(福岡県)において、日本臨床歯周病学会第41回年次大会(吉田 茂大会長、木村英隆理事長)が「再生療法NEXT STEP」をメインテーマに掲げて開催され、登録者数は約2,200名に及んだ(2023年7月18日から8月31日まで一部オンデマンド配信予定)。

 初日に行われたRodrigo Neiva氏(米国・ペンシルベニア大)による特別講演「Form with Function: Current Standards in Tissue Preservation and Implant Site Development」では、まずインプラントの使用に際して、利便性のみを考えて応用するのではなく、歯の保存を試みてそれでも残せないと判断した時に初めて候補に挙げるべきだと述べた。また、骨造成を行うにあたって、再生させるためには“足場”が重要であると話し、その際に使用するメンブレンや骨補填材について、症例を交えながら解説した。

 2日目には、若手の歯科医師および歯科衛生士に焦点を当てた「新進気鋭セッション」「歯科衛生士ミニシンポジウム」が行われた。新進気鋭セッションでは、「前歯一歯欠損のインプラント治療」「骨縁下欠損に対する歯周組織再生療法」「根面被覆術」の3つに分けて各5名ずつが講演を、歯科衛生士ミニシンポジウムでは、2つのセッションに分けて各3名ずつが講演を行った。

 2日目の最後には、「『再生療法を極める』―匠の技―」と題して、歯科医師・歯科衛生士特別シンポジウムが行われた。本シンポジウムでは、長谷川嘉昭氏(東京都開業)が「チーム医療で何を診るのか」、中田光太郎氏(京都府開業)が「付着の再生~根面被覆術への再生療法の応用~」、船越栄次氏(福岡県開業)が「進行した重度歯周炎の長期予後の獲得」と題して、それぞれ講演を行った。特に船越氏は、歯周組織再生療法における術式や材料の歴史的変遷を解説するとともに、初診から40年以上の貴重な長期症例などを供覧しながら、重度歯周炎の治療およびメインテナンスについて詳説した。

 なお、次回の第42回年次大会は、きたる2024年6月15日(土)、16日(日)の2日間にわたり、瀧野裕行大会長(京都府開業)のもと、大阪国際会議場(大阪府)で開催予定である。

関連する特集