2023年10月15日掲載

「歯周療法40年の軌跡、視えてきた未来。」をテーマに

日本臨床歯周療法集談会第40回記念学術大会が開催

日本臨床歯周療法集談会第40回記念学術大会が開催
 さる10月15日(日)、TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(東京都)において、日本臨床歯周療法集談会(JCPG)第40回記念学術大会(小林友貴実行委員長、小林和一会長)が「歯周療法40年の軌跡、視えてきた未来。」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士らが多数集まり盛会となった。

 JCPGは1984年の発足以来、歯周基本治療、三位一体のチーム医療を軸に歩み続けてきた会であり、第40回を迎えた今回の記念学術大会は4年ぶりの実開催となった。

 午前の部では、まず清水雅雪氏(愛知県開業)によるプロローグ「科学的根拠に基づいた歯周治療は40年間何も変わっていない―基本治療を大切に―」が行われた。氏は、「いかに患者さんに磨く自覚をもたせるのか」という意識改革が重要としたうえで、「患者さんの病態」「放置するとどうなるのか」「治療には何が必要か」の3つを患者さんにきちんと伝えることが大事であると述べた。また、特別講演では関野 愉氏(日歯大)による「歯周病の新分類と最新エビデンス」が行われ、歯周病に関する最新情報の共有がなされた。

 午後の部では、谷本 亨氏(神奈川県開業)による「再評価を考える」、畑中秀隆氏(茨城県開業)による「歯周外科治療を再考する」がそれぞれ行われた。つづく特別講演では、辰巳順一氏(朝日大教授)が「インプラント周囲疾患の診断と対処法」と題し登壇。インプラント周囲疾患に関する最新情報をわかりやすく解説した。また、歯科衛生士の安生朝子氏(藤橋歯科医院)は「メインテナンスの流儀」と題し、多くの長期症例を提示しながら、その流儀について詳細に語った。その後、小林和一氏(東京都開業)によるエピローグ「適切な治療をすれば歯は残り機能する」が行われ、長期症例を供覧しながらチーム医療の重要性について述べ、締めくくった。

 別会場では、実習やテーブルクリニックも開催され、なかでも松島正和氏(東京都開業)による「プロフェッショナルの二刀流メインテナンス~歯周×咬合~」では、メインテナンス時における歯の喪失原因に破折が多いことを述べたうえで、メインテナンス時には患者さんの咬合状態をきちんと診ることの重要性について述べた。
 
 最後に、実行委員長の小林友貴氏(東京都開業)が登壇し、閉会の辞を述べ、盛会裏に終了した。「Dr.とDH・DAがともに学べる学会」という本会の趣旨のとおり、医院全体で学ぶことができるプログラムが多数企画され、熱気に包まれた1日となった。

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