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2023年11月3日掲載

約130名の参加のもと、女性シンポジスト5名が建設的なディスカッションを行う

厚生労働省令和5年度歯科技工士の人材確保対策事業 公開シンポジウムが開催

厚生労働省令和5年度歯科技工士の人材確保対策事業 公開シンポジウムが開催
 さる11月3日(金)、ソラリア西鉄ホテル(福岡県)において、厚生労働省令和5年度 歯科技工士の人材確保対策事業 公開シンポジウム「デジタルで変わる・変える歯科技工―ジェンダー、エイジにとらわれない歯科技工士像とは―」(九州歯科技工専門学校主催、佐藤博信校長)が開催された。本事業は、厚生労働省が行う「歯科技工士の人材確保対策事業」の一環として行われたもの。会場には祝日の夕刻にもかかわらず、100名の定員を超える約130名が参集する盛会となった。

 シンポジストは、比嘉奈津美氏(参議院議員、歯科医師)、川端貴美子氏(福岡県歯科医師会専務理事)、大坪真美氏(厚生労働省医政局歯科保健課課長補佐、歯科医師)、山下茂子氏(日本歯科技工学会理事、歯科技工士、デンタルデジタルオペレーション)、および三宅まり氏(福岡県歯科技工学会、歯科技工士、Mi-2)の、歯科行政・臨床に携わる5氏(座長:佐藤氏)。いずれも女性ばかりを揃え、活発なディスカッションが行われた。

 今回のキーワードは「デジタル歯科技工の推進」「就労環境の整備・子育て支援・高齢者の就労」「適切な技工料への改善」「キャリアパスの構築・卒後教育の環境整備・技工士養成校の環境支援」の4点。壇上では、歯科保健課予算のより有効な活用やリモートワークのいっそうの普及、また女性歯科技工士が増加する現在の状況に合わせた働きやすさへの配慮への希望(比嘉氏)、歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士の上下関係をなくし、各職域団体としても水平な関係性とすることの重要性や、日本歯科医師会としても歯科技工士・歯科衛生士の育成にかかわるというアイディア(川端氏)、厚生労働省における歯科技工士の人材確保対策の現況および展望、デジタル技工のスキルを高めるための指導者向け講習会の開催予定案など(大坪氏)、リモートワークへのよりいっそうの対応や、大阪府内のラボから福島県在住のスタッフをリモートで雇用している実例、および多様な働き方ができる歯科技工士という職業の一般への周知・宣伝活動の重要性(山下氏)、そして女性にとっても過酷な歯科技工士の労働環境の改善や、高額となるデジタル機器・ソフトウェアの導入に対する補助への希望(三宅氏)などが示された。

 なお会場からも、デジタル化とそれにともなう納期の改善や、歯科技工業界を盛り上げる「Dスポーツ」(コンピューターゲームによる対戦をスポーツとして行う“eスポーツ”からヒントを得て企画された、歯科用CADによる競技)の紹介、また歯科技工士のやりがいを育てるための対面行為の許可に向けた教育のありかたなど、歯科技工士の人材確保に向けたさまざまな意見・アイディアが示された。

 2時間に及んだ本シンポジウム。締めくくりは、「どういうことを国や厚生労働省に伝えたいか、それぞれの職種の皆さんがワンボイスにして盛り上げていこうではありませんか」という比嘉氏の挨拶をもって閉会となった。

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