2023年11月25日掲載

「『人生100年時代の8020運動』〜到達目標から中間目標への転換〜」をテーマに

8020推進財団、第21回フォーラム8020を開催

8020推進財団、第21回フォーラム8020を開催
 さる11月25日(土)、歯科医師会館において、第21 回フォーラム8020(公益財団法人8020推進財団主催)が、「『人生100年時代の8020運動』〜到達目標から中間目標への転換〜」をテーマに開催された。

 高橋英登氏(8020推進財団理事長)による主催者挨拶および、加藤勝信氏(前厚生労働大臣)、丸川珠代氏(参議院議員)による来賓挨拶の後、大坪寛子氏(厚生労働省 健康・生活衛生局長)による特別講演「2040年に向けて、我が国の健康政策と歯科保健に求めるもの」が行われた。

 大坪氏は、死亡率の推移や国民医療費などの健康を取り巻く現状を説明したのち、日本におけるこれまでの健康づくりの取り組みについて紹介。特に、国民が主体的に取り組める新たな対策として、厚生労働省が発表している「健康日本 21(第2 次)」について詳説した。2013年に施行された健康日本21(第2次)では、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」を含む基本的な方向性が5つ盛り込まれている。2022年10月頃の最終的な評価では、健康寿命の着実な延伸などの一定の成果が出ている反面、多くの課題も残っているとした。2024年に施行予定の「健康日本21(第3次)」では、健康日本21(第2次)の反省点をふまえて方向性や目標を設定。新たな視点として「女性の健康を明記」「自然に健康になれる環境づくり」などを取り入れたことを解説した。さらに、歯科保健医療の現状や国民皆歯科健診に向けた厚生労働省の取り組みも紹介した。

 続いて、高柳篤史氏(東歯大衛生学講座客員教授)、小林隆太郎氏(日本歯科医学会副会長)、菊谷 武氏(日歯大教授、口腔リハビリテーション多摩クリニック院長)、山本秀樹氏(日本歯科医師会常務理事)による講演がそれぞれ行われた。

 なかでも、「口腔保健と社会的健康」と題して登壇した高柳氏は、これからの歯科医療では、今までのような口腔単位でのアプローチだけでなく、口腔内環境の悪化につながる個人の生活習慣や家庭環境、ひいてはその背景にある生活環境や社会環境にも目を向けることが大事だとした。また、生活者目線で寄り添うことが大事であるとして、地域住民同士が自然に関わることのできる場所作りなどを紹介した。

 最後には、小林慶太氏(8020推進財団副理事長)の座長のもと、「人生100年時代の8020運動の方向性と課題」という題で、4名の演者による総合討論が行われ、8020運動を多角的に見ていくことの必要性などが語られた。

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