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2009年3月13日

日歯、日本経済新聞社説に対する会見を開催

医療者の立場主張するも、記者とは平行線

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 さる3月13日(金)、歯科医師会館にて日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による緊急会見が開催された。本会見は、朝日新聞社の記事に続き、3月9日付の『日本経済新聞』の社説「レセプト完全電子化を後退させるな」の記事に対するもの。記事は国民に事実を誤認させる内容として、同日付で日歯の見解と抗議の文書を日本経済新聞社論説委員長宛てに送付することが報告された。会場には、歯科業界記者のほか、一般紙の記者も多数参加した。

 席上、近藤勝洪副会長は今回の報道に対して、三師会の共同声明の主旨をもとに、「レセプト電算化には反対していない。オンライン請求の完全義務化は地域医療を崩壊させる」と終始一貫強調した。「IT技術の推進が医療の質の向上・安全に寄与することは周知の事実である」としつつも、「同じ病名でも患者1人ひとり違う。患者さんに適切な医療を行うことは現場の基本的な考え方である」と画一的な医療の標準化には三師会とも反対を主張していることを述べ、「オンライン請求完全義務化の問題について正しい認識で報道いただきたい」と訴えた。

 その後、会場では一般紙の記者から、「いち新聞社の社説に対する会見は異例ではないか」との質問に対して、近藤副会長は、「たいへん影響力を持っている新聞社の「社説」に取り上げられている。見解の相違はあれ、医療者側の主張とかけ離れている内容だ」と述べた。大久保会長は、地域医療を支えている小規模診療所の重要性を主張し、「レセプトオンライン化に対応できない診療所は保険診療できなくなる。この痛切な訴えを理解いただきたい」と述べた。

 このほか、「請求事務の効率化によるメリットついて」「オンラインに対して消極的ではないか」「代行請求が整備されれば手挙げ方式は改善されるのか」など、一般紙の記者から質問があいついだ。しかし、医療者側としての地域医療を守る日歯の主張と、経済的・事務的な視点から効率化について質問する記者側との意見は、終始平行線となった。