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2009年3月15日

第5回DHサミット開催

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 さる3月15日(日)、アットビジネスセンター(東京都)にて、第5回DHサミット(小林明子代表、小林歯科医院)が61名の参加のもと開催された。本会は、歯科衛生士に必要な基礎学問を徹底的に学ぶこと、また症例報告を積極的に行うことで、基礎やエビデンスに基づいた臨床ができるようになることを主な目的としている。今回は、加藤正治氏(東京都開業)を講師に迎え、「徹底検証! プロフェッショナルケアの功罪―PPCの実現に向けて―」と題した講演が行われた。

 タイトルのPPCとは、「personalized professional care=個々に応じたプロフェッショナルケア」のこと。氏は、画一的な歯面研磨は、歯面や補綴物にダメージを与えるとし、補綴物の材質や研磨剤について理解しておくべきであるとした。そのうえで、ナノケアと名づけた歯面修復の有効性について述べた。これは、次亜鉛酸ナトリウムゲルでバイオフィルムなどの有機質を溶解した歯面に、ハイドロキシアパタイト含有のペーストを塗布し、再石灰化を促すものである。歯質を回復させる効果に加え、歯面研磨に比べ、歯へのダメージが少なく、再付着したバイオフィルムが剥がれやすくなるとし、症例を挙げながら白濁やステインへの効果、根面う蝕予防などについても解説した。

 また、この他にセルフケア剤の研磨力を比較した実験結果など、実践的ですぐに役立つ情報が数多く紹介された。これらの効果については、実体顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡などの画像を用いて説明がなされ、視覚的にもわかりやすく、説得力のある内容であった。会場には、熱心にメモを取る参加者の姿がみられ、終日熱気に溢れた会となった。