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2009年3月15日

QDT購読キャンペーン講演会「いまさら聞けない補綴治療」(第7回・名古屋会場)開催

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 さる3月15日(日)、明治安田生命名古屋ホール(愛知県)にて、「QDT購読キャンペーン講演会 いまさら聞けない補綴治療」(第7回・名古屋会場)が開催された(クインテッセンス出版主催)。昨年5月以来全国各地で開催され、第7回目を迎えた本講演会は既報のとおり「補綴雑誌」としての「QDT」を若手歯科医師にいっそう周知する目的で開催されたもの。会場には210名あまりが参集し、講演内容はもちろん小社および協賛企業の展示ブースにも熱心に目を通していた。以下に、各演題の概略を示す。

(1)「咀嚼サイクルを考慮したインプラント補綴」(高嶋秀隆氏、愛知県開業)

 本講演で高嶋氏はまず、総義歯、矯正治療、そしてインプラントと変遷してきた自らの学びの歴史について述べたうえで「日本国内でも今後はインターディシプリナリーが主流になるであろう。よって、若手歯科医師の皆さんには『何かひとつの分野を究める』という目標をもっていただきたい」とした。また、インプラントによる多数歯補綴症例を2例供覧し、その治療計画や術後のシロナソアナライザーによる咀嚼機能の評価を通じ、インプラントによる咀嚼機能回復の重要性と可能性について示した。

(2)「実践! 若手歯科医師のための歯冠修復マニュアル まずはここから 特別編:いまさら人に聞けない咬合採得・咬合調整」(萩原芳幸氏、日大歯学部歯科補綴学教室3講座准教授)

 本講演で萩原氏はまず、咬頭嵌合位の定義と咬頭嵌合位における咬合採得について詳説。各種咬合採得材料の特徴や、具体的な使用法について多数のスライドとともに示した。また、「補綴治療にあたっては治療に用いる顎位を正しく理解し、選択する」ことが重要であるとし、とくに中心位の定義や中心位への誘導方法について詳説した。

 さらに、咬合調整の目的として、咬合性外傷から歯周組織を保護すること、筋の過緊張の除去、咀嚼効率の改善などを挙げて各項目ごとに解説。さらに「歯髄炎の症例や義歯床下に褥瘡性潰瘍が生じた場合にはまず咬合をチェックしよう」とし、咬合調整の重要性を強調するとともに実際の方法について解説した。

(3)「失敗しないコンポジットレジン直接修復 ―審美的・機能的予後を確実にするために―」(高橋 登氏、東京都開業)

 本講演で高橋氏はまず、「保険診療でも行うことのできるコンポジットレジン修復を自費診療として患者に受け入れていただくためには、適切なレイヤリングによる高い審美性と予知性を確保しなければならない」とし、これを実現するための窩洞形成や材料の選択、そしてケースセレクションにつき、きわめて基礎的な内容から解説した。とくに窩洞形成においては直接修復ならではの形態について多数のスライドをもとに逐次解説し、聴講者の理解を助けていた。また、氏が提唱する3Dレイヤリングテクニックについても手順を追って紹介され、聴講者がすぐに応用できるよう配慮されていた。

(4)「失敗症例に学ぶインプラント修復」(小濱忠一氏、福島県開業)

 本講演で小濱氏はまず、「インプラント治療におけるガイドラインが多く得られ、取り組みやすい時代となったが、長い間にはさまざまな失敗が出てくる」としてその実例を供覧。その後、インプラント治療における各ステップを示しながら失敗しやすいポイントやその解決法について解説した。そのうえで、インプラント治療を成功させるための心構えとして(1)的確な診断能力をもつこと、(2)的確な診断能力にもとづいた治療戦略を立案すること、(3)歯科技工士とのコラボレーション、の3点が重要であるとした。とくに(3)については、「自分が行った治療に責任をもって技工作業を依頼すること、そして最低限の歯科技工に関する知識をもっておくこと」が重要だとした。

 なお、本講演会は4月19日(日)の石川県金沢市における「第8回」で最終回となる。申し込み方法や演題など、詳細はhttp://www.quint-j.co.jp/web/lecture/index.phpにて。