2024年3月3日掲載

Er:YAG Laserを用いた歯周治療をテーマに

日本臨床歯科学会東京支部、2023年度第3回例会を開催

日本臨床歯科学会東京支部、2023年度第3回例会を開催
 さる3月3日(日)、赤坂インターシティコンファレンス(東京都)において、日本臨床歯科学会東京支部(大河雅之会長)による2023年度第3回例会が行われた。原田和彦氏(東京都開業)がチェアマンを務め、“Er:YAG Laserを用いた歯周治療”をテーマに進行した。多くの会員の要望により実現したテーマとのことであり、歯科医師、歯科衛生士など約150人が参加し盛会となった。

 当日はまず、教育講演1として山本敦彦氏(大阪府開業)が「最新Er:YAG Laserを用いた次世代歯科診療―Er:YAG Laserの劇的進化について―」と題し講演した。山本氏は、Er:YAG Laser装置であるアーウィン初号機を医院に導入し、初めて治療を行った際の使用実感を紹介。そして、これまでに行ったEr:YAG Laserを使用した症例のなかから、う蝕治療、インプラント周囲炎、歯周組織再生療法への応用について解説した。

 次に、教育講演2として原田氏が「Periodontal tissue regeneration treatment using Er:YAG Laser」と題し講演した。原田氏は、天然歯およびインプラント症例における歯周組織再生療法時のEr:YAG Laserの活用について、外科、非外科的アプローチそれぞれを解説。肉芽除去やデブライドメントの具体的方法などについて、多くの症例写真を用いて示した。

 さらに、教育講演3として山口文誉氏(神奈川県開業)が「Er:YAG Laserを用いた低侵襲歯周組織再生療法―Periodontal microsurgeryによる硬・軟組織再生―」と題し講演した。山口氏は、垂直性骨欠損の治療において、マイクロスコープ下でMinimally Invasive Surgical Technique(MIST)を行った手術プロトコールのなかでのEr:YAG Laserの使用のタイミングを解説。また、根分岐部病変におけるデコルチケーションでの活用などについても紹介した。

 続いて一般講演として、武川泰久氏(埼玉県開業)が「広汎型慢性歯周炎(ステージⅣ、グレードC)患者に低侵襲非外科治療(MINST)と低侵襲歯周外科治療(MIST)を行い包括的治療を行った一症例」について、また 山口宜伸氏(東京都開業)が「上顎臼歯部欠損にインプラントを用いて咬合再構成を行った症例」と題して講演した。

 いずれの講演においても講演終了後には質疑応答の時間が設けられ、Er:YAG Laserについてのみならず、フラップデザインの選択やマイクロサージェリーのアポイント時間など多くの質問が寄せられ、現地開催ならでは活発な意見交換が行われていた。

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