2024年3月20日掲載

佐藤洋平氏、高岡亮太氏らが登壇

PROS Dental Academy「前歯部審美補綴の勘所」開催

PROS Dental Academy「前歯部審美補綴の勘所」開催
 さる3月20日(水)、TB-Square OSAKA(大阪府)において、PROS Dental Academy(田中亮次代表)による講演会が開催された。

 PROS Dental Academyとは、田中氏(静岡県勤務)が代表を務める、歯科臨床の実際をアカデミックかつ教育的な視点で情報提供するセミナーである。同アカデミー最初の講演会となる今回は、佐藤洋平氏(神奈川県開業)、高岡亮太氏(阪大)を演者に迎え、「前歯部審美補綴の勘所―外科的・補綴的ティッシュマネジメント―」のタイトルで開催された。

 当日はまず、「軟組織への外科的アプローチ」「軟組織への補綴的アプローチ」がコンテンツとして掲げられ、前者は根面被覆術、歯冠長延長術など、後者はピンクポーセレンの応用、クラウンカントゥアによる歯頚線のコントロール、プロビジョナルレストレーションによるポンティック基底面の調整法など、これら2つの治療アプローチの限界を互いに補い、患者のQOLを高めるための各種の臨床手技が詳細に解説された。

 その後は、「技工士とのコミュニケーション」が俎上に載せられ、佐藤氏とパートナーシップを組む伊原啓祐氏(歯科技工士、i- Dental Lab)が登壇し、精緻な補綴装置製作のために歯科技工士が必要とする情報や、補綴装置を審美たらしめるための歯科技工的工夫が語られた。さらに「患者とのコミュニケーション」をテーマに、高岡氏と石丸ゆき江氏(歯科衛生士、フリーランス)が登壇し、両者が担当した臨床例を挙げつつ、長期にわたるメインテナンス継続の秘訣を語った。

 前歯部審美歯科は、その歯周治療あるいは補綴治療が単一的に語られることが多いが、これらを有機的に展開した本会は、そのどちらを趣向する歯科医師にとっても有用なものであったと感じられた。今後のPROS Dental Academyの動向が注目される。

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