2024年3月31日掲載

「CBCTで難症例に挑む!」をテーマに

第23回歯内療法症例検討会開催

第23回歯内療法症例検討会開催
 さる3月31日(日)、第23回歯内療法症例検討会(株式会社Toppy主催)が、東京医科歯科大学(東京都)およびWeb配信のハイブリッド形式にて開催された。

 本会は吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、歯内療法症例をさまざまな角度からディスカッションして日常臨床のヒントを得ること、また治療へのモチベーションを維持することを主目的に開催されているもの。今回は「CBCTで難症例に挑む!」をテーマに、症例報告と特別講演が行われた。演題・演者を以下に示す。

「CBCTからみた外科的根管治療~右上5番に意図的再植を行った1症例~」三木 優氏(昭和大)
「CBCTを用いて下顎第一大臼歯のMM根管を発見した症例」西本真太朗氏(兵庫県勤務)
「CBCTでは判別できない非歯原性疼痛」三宅真規子氏(滋賀県勤務)
「下顎大臼歯穿孔部に対して外科的歯内療法を行った症例」淺井知宏氏(東京都勤務)
「複数の医原性偶発症を有する歯を処置した1症例」岡田大和氏(医歯大)
「ECRにおけるCBCT」野間俊宏氏(フリーランス)

 次に、「歯内療法とCBCT」と題し、浦羽真太郎氏(昭和大)による特別講演が行われた。外科的歯内療法においてもっとも重要なことは、対象の三次元的なイメージをもつことであり、CBCTはその直接見えない内部構造を含む対象の三次元的なイメージを得るために使用するものと述べた。また、CBCTの安全利用における原則として、これまでは“ALARAの原則”を順守することとされてきたが、昨今では、診断を行ううえで適応と患者に特化し許容可能な限り低い放射線量を使用するという“ALADIP(as low as diagnostically acceptable being indication-oriented and patient-specific)の原則”の考えが広がってきていると解説した。

 本会では外科的歯内療法を行ううえで必要不可欠なCBCTに焦点を当てたものとなっており、各症例報告を通してCBCTの重要性が語られた。若手歯科医師にとっては、直接見ることのできない歯根の形態などをイメージすることは難しいため、若手歯科医師こそCBCTを活用するべきだと学べた会となったのではないだろうか。

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