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2008年10月13日

エムドゲイン®ゲルが発売10周年

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 さる10月13日(月)、都市センターホテル(東京都)にてエムドゲイン®ゲル発売10周年記念特別講演会「日常臨床のための歯周組織再生療法」(株式会社ヨシダ、生化学工業株式会社主催)が300名の参加者を集めて盛大に開催された。同講演会は今回で2回目であるが、和泉雄一氏(医歯大教授)をコーディネーターに、伊藤公一氏(日大教授)、申基★(★=吉2つ)氏(明海大教授)、船越栄次氏(福岡県開業)、佐藤直志氏(秋田県開業)、弘岡秀明氏(東京都開業)のラインナップは前回と同じ。
 まず、午前の部で最初に登壇した弘岡氏は、「楔状欠損再考」と題して文献考察から始まり、感染の除去を強調。とくに術後のリエントリーの無用さを説いた。つぎに登壇した申氏はエムドゲイン®とGTR法を比較し、術式のシンプルさと相まって、多数歯に適応可能という長所を解説した。
 午後の部では、佐藤氏がエムドゲイン®に限らず再生療法には力(咬合)の管理とプラークコントロールが成功の鍵を握ることを力説。つづく伊藤氏はエムドゲイン®を用いた自身の教室でのin vitroからin vivoまでの研究の試みを紹介し、根面被覆への応用例を供覧した。最後の船越氏は初めてエムドゲイン®を臨床応用したケースを用いて、エムドゲイン®は継続して治癒がみられる有用性を示し、GBRなどとエムドゲイン®の併用例や氏が提唱するオープンバリアメンブレンテクニックなども提示した。
 本講演会で一貫して強調されたのがエムドゲイン®の適応症を見極めるといった点で、各演者すべてがきっちりとした基準で臨床応用していたのが印象的であった。また、よく比較されるGTR法との棲み分けは、GTR法のテクニックセンシティブな部分もあって、エムドゲイン®に傾倒ぎみという印象も見受けられた。文献的にはどちらの方法も達成量は変わりないため、術者の手腕によるところが大きいようである。参加者の多くが若手臨床家ということもあって、かなり示唆に富んだ内容であったと思われる。