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2009年8月22日

(社)日本口腔インプラント学会 第29回 関東甲信越支部学術大会

「Versus」をテーマに、白熱した討論が繰り広げられる

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 さる8月22日(土)、23日(日)の両日、東京国際フォーラムにおいて、(社)日本口腔インプラント学会 第29回 関東甲信越支部学術大会(嶋田 淳大会長、相浦洲吉支部長)が、約1,000名の参加者を集め盛大に開催された。本会は「Versus」というメインテーマのもと、基調講演、特別講演、一般口演、ポスター発表が行われたほか、専門医・専門歯科技工士・専門歯科衛生士それぞれの教育講座、各企業によるランチョンセミナーが併催されるなど、非常に充実した内容となった。以下、メイン会場にて行われた「基調講演Versus I」について概要を記す。

 まず、勝山英明氏(神奈川県開業、神歯大客員教授)が「The SLA surface」をテーマに登壇。インプラントの表面性状「SLA surface(Straumann社製)」に関し、15年間にわたって行われてきた実験研究と、それを裏づけする豊富な無作為化比較試験(Randomized Controlled Trial)から得られた文献を提示し、科学的にもっとも研究されているものと結論付けた。

 つぎに、岡田隆夫氏(大阪府開業、阪大臨床准教授)が「表面性状の違いによるインプラントの特徴と注意点」をテーマに登壇。自身の17,000本、4,000症例から導き出されたインプラントの表面性状「TiUnite(Nobel Biocare社製)」の優位性、とくに即時荷重における利点について述べた。

 最後に、武田孝之氏(東京都開業、東歯大臨床教授)が「上顎優先のインプラント治療―パラダイムシフトに伴うインプラントの使い分け―」をテーマに登壇。自身の長期経過観察結果から導き出された上下顎の力学的バランスを考慮したインプラント補綴およびアパタイト系表面のインプラント「MP-1(Zimmer社製)」の利点、特に脆弱な骨質での使用の優位性について述べた。

 ディスカッションでは、活発な質疑応答がなされ、勝山氏からは使用する製品を選択する際の基準として、無作為化比較試験がなされた文献の有無、武田氏からはインプラント治療の成功において影響を及ぼすのは、表面性状の違いよりも術者自身であることが述べられ、本講演会は締めくくられた。