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2009年8月23日

モリタ友の会主催、歯科医師向け講演会開催

若手臨床家多数の参加で演者の菅谷准教授は質問攻めに

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 さる8月23日(日)、秋葉原UDXカンファレンス(東京都)において、モリタ友の会主催による歯科医師向け講演会が、「垂直破折歯根を接着で治す―治療法の選択と臨床成績―」のテーマのもと、開催された。本講演会はややクローズドな雰囲気ながら、若手臨床家を中心に予定以上の約120名もの参加者が訪れ、盛況となった。

 講師として招聘されたのは『the Quintessence』や『歯科臨床研究』でも同手法を発表されている菅谷 勉氏(北大歯学部准教授)で、表題テーマのもと、「歯根破折による歯周組織病変の成り立ち」、「垂直破折歯根の治療原則」、「炎症を誘発しないスーパーボンドの使用法」、「根管内から接着する方法と口腔外で接着して再植する方法の特徴」、「補綴とメインテナンスの注意点」、「各治療法の臨床成績」、「失敗症例の原因と対策」、「診査・診断と破折状態に応じた治療法の選択基準」を順にじっくりと講演。生検などの基礎実験結果や臨床データを用いた講演は説得力があり、熱心にメモを取る参加者の姿が印象的な催しとなった。講演終了後には時間の都合で質疑応答の場がなかったものの、菅谷氏は参加者からの質問攻めを受け、約1時間も会場に缶詰めにされるひと幕もあった。

 参加者が若手臨床家で占められていたこともあって、歯冠・歯根破折のトラブルに対する解決法に苦慮している状況がうかがえ、臨床現場では、審美・インプラントブームに乗った噛み合わせを考慮しない最終補綴によるトラブルが増えているのかもしれない。1本の歯を保存することの重要性が改めて認識させられた講演会であった。