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2009年9月12日

第7回日本再生歯科医学会学術大会開催

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 さる9月12日(土)、九州歯科大学講堂(福岡県)において、第7回日本再生歯科医学会学術大会(寺下正道大会長、吉山昌宏会長)が行われた。本学会は、多領域にわたる歯科再生医療の情報を一本化し、各分野の研究者が共通の目的で議論できる専門的な場として、また再生医療における歯科独自の技術を蓄積することを主目的に2003年に設立された。

 今回は「歯と骨の再生―生体材料・細胞誘導・サイトカイン―」をメインテーマ。シンポジウム(1)「歯・歯周組織の再生」(西原達次座長、九歯大教授)では、加藤幸夫氏(広大教授)が「無血清培地で活性化した間葉系幹細胞による再生治療」と題し、血清採取が困難な患者に対しての無血清培地の有効性を訴えた。

 つぎに、北村知昭氏(九歯大准教授)が「象牙質-歯髄複合体の局所的再生」と題し、残存歯髄からの歯髄再生と感染制御を解説。さらに吉江弘正氏(新潟大教授)が「上皮シートによる歯の再生と骨膜シートによる歯周組織再生」と題して講演。とくに、骨膜シートは既に臨床応用されている段階にあることを述べ、今後は一般歯科医院へ向けての簡便なシステムを開発中であるという。また、シンポジウム(2)「顎骨の再生」(冨永和宏座長、九歯大教授)では、春日井昇平氏(医歯大教授)、自見栄治郎氏(九歯大教授)、日比英晴氏(名古屋大准教授)がそれぞれ登壇した。

 さらに特別講演として、「バイオマテリアルからみた再生誘導治療と幹細胞生物医学研究」との演題で田畑泰彦氏(京大教授)が、「次世代歯科医療を目指した歯の再生研究の進展」と題して辻 孝氏(東京理科大教授)がそれぞれ登壇。歯科に限らず、基礎的研究とその成果が、現在の再生医療とどのようにつながっているのか、さらには歯科界の研究者とどのような連携を行っているかについて、それぞれ解説した。

 近年、飛躍的に発展・注目を集める再生治療であるが、とくに歯科における再生医療の応用は始まったばかりであるという。そのためか、当日は各専門領域の垣根を越え、質疑応答など活発な意見交換が交わされていた。