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2009年10月9日

第54回日本口腔外科学会総会・学術大会開催

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 さる10月9日(金)から11日(日)の3日間、札幌コンベンションセンター(北海道)において、第54回日本口腔外科学会総会・学術大会(戸塚靖則大会長、福田仁一理事長)が「口腔外科の明日を見すえて」を大会テーマに、盛大に開催された。

 1日目には特別講演として、いま話題の「鳥、ブタ、そしてパンデミックインフルエンザ」を演題に喜田 宏氏(北大大学院獣医学研究科教授)が登壇。喜田氏は、「『家禽の感染を早期に摘発、淘汰することにより、被害を最小限にくい止めるとともにヒトの健康と食の安全を守る』ことが鳥インフルエンザの対策の基本であり、季節性インフルエンザの克服こそが新型ウイルス対策の基盤となる」と講演した。シンポジウム1では「医歯二元制を再考する」として戸塚靖則氏(北大大学院歯学研究科口腔病態学口腔顎顔面外科学教授)、下郷和雄氏(愛院大歯学部教授)、瀬戸晥一氏(脳神経疾患研究所附属口腔癌治療センター長)、田中健蔵氏(福岡歯科学園理事長)、古谷野潔氏(九大大学院歯学研究院教授)、飯塚建行氏(Professor and Chairman,Dept. of Cranio-Maxillofacial Surgery University Hospital of Bern,Switzerland)、Choung Pill-Hoon氏(Dean,School of Dentistry,Seoul National University) が登壇。シンポジウム2では「アジアにおける口腔癌機能温存治療の現状」として台湾、韓国、日本での現状が話された。

 2日目はシンポジウム3「病院歯科口腔外科の課題と展望」として歯科疾患の構造変化による影響、採算性、一人医長などの問題が話し合われた。招待講演講演「Computer-aided Implant Dentistry」としてChang Yu-Liang氏(Chang Gung Memorial Hospital,Linkou,Taoyuan,Taiwan)、教育講演1「How to get your paper published in IJOMS」としてPiet E. Haers氏(Editor in Chief,International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery)が講演した。教育講演2では「ヘリコバクター・ピロリ感染症:最新の知見」として浅香正博氏(北大大学院消化器内科教授)が登壇。浅香氏は、「2000年11月にH.pyloriの除菌治療が胃・十二指腸潰瘍の患者適用されるようになり患者に福音をもたらしている。さらに胃MALTリンパ腫、過形成ポリープ、自己免疫疾患などにも効果のあることがわかった」と述べた。

 3日目はミニレクチャー9題、ハンズオンコース4題が開催された。そのほか口腔外科の幅を示すように悪性腫瘍、良性腫瘍、ビスフォスフォネート関連、インプラント、感染症、発育異常、炎症・免疫性疾患、生体材料、外傷、嚢胞、顎関節、先天異常、血液疾患、粘膜疾患、神経疾患、再生医学、患者管理など57演題におよぶポスター発表が行われた。

 天候には恵まれなかった3日間であったが、会場は2,000名を越す出席者で熱気に包まれた。