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2010年2月6日

日本歯科放射線学会、歯科用コーンビームCT企業講習会を開催

コーンビームCTの使用に関して警鐘を鳴らす

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 さる2月6日(土)、アキバプラザセミナールーム(東京都)において、日本歯科放射線学会(岡野友宏理事長)による「歯科用コーンビームCT企業講習会」が開催された。メーカーやディーラー、出版社を対象とした新しい試みとなった本講演会の背景には、普及が進むコーンビームCTの使用に関して、間違った解釈がなされている臨床の現場状況がある。とくに被曝線量の誤った理解や、コーンビームCTの操作そのものに混乱が生じているという。臨床家に警鐘を鳴らす前に、まず開発・販売元のメーカー、ディーラーに、臨床家に対するきちんとした取り扱いの説明を求めたもの。

 講演会では「歯科用コーンビームCTの適正運用を目指して」(岡野理事長)、「CTの歴史と新たな展開」(宮谷美行氏、東芝メディカルシステムズ株式会社)、「歯科用コーンビームCTの開発と臨床」(新井嘉則氏:日大特任教授、東京都開業)、「歯科用コーンビームCTの物理的特徴と現状」(西川慶一氏、東歯大)、「DICOM規格と三次元画像表示の基礎」(荒木和之氏、昭和大准教授)の5題が披露された。とくに、コーンビームCTの生みの親でもある新井氏の講演は、臨床の現場に警鐘を鳴らす内容で、「コーンビームCTは万能ではない」ことを強調しながら、誤診や操作上の誤りの事例を紹介。コーンビームCTを理解するには解剖の知識を習得することが必須との考えを披露した。

 いまや歯科医院の三種の神器とまでいわれて久しいコーンビームCTも、さまざまな誤解や混乱、トラブルが出ていることをメーカー、ディーラーに知らしめる講演会となったが、今後は使用する側の臨床家にも情報を発信していくものと思われる。