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2010年5月14日

日本歯周病学会2010春季学術大会(第53回)盛大に開催

特別講演では2階席も埋め尽くす1,600名の参加者で大盛況

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 さる5月14日(金)、15日(土)の両日、盛岡市民文化ホールおよびいわて県民情報交流センター(岩手県)において、日本歯周病学会2010春季学術大会(第53回)が盛大に開催された(國松和司大会長、伊藤公一理事長)。大会テーマは「歯周病研究のフロンティア―輝ける歯周治療を目指して―」。

 本大会では、特別講演1「自然免疫と炎症・免疫応答」(審良静男氏、阪大教授)、特別講演2「重度歯周病患者の治療とメインテナンス」(佐藤直志氏、秋田県開業)の2題、米国歯周病学会副会長講演「Periodontal Regeneration:Bone Grafts with and without Barriers」(Dr. Pamela Kay McClain)、シンポジウム1「歯周組織への感染とそれに対する免疫応答の特異性とは?」(座長:島内英俊東北大教授、高柴正悟岡山大教授)、シンポジウム2「最新の歯周治療の革新―そのコンセプト・技術・器材―」(座長:和泉雄一医歯大教授、山田 了東歯大教授)2題のほか、学会学術賞受賞記念講演2題、市民公開講座、認定医・専門医教育講演2題、歯科衛生士教育講演、歯科衛生士シンポジウム「歯科衛生士のための歯周病管理―認定歯科衛生士として行っていること、考えていること―」(座長:野村正子氏、日歯大)、ランチョンセミナー3題、一般講演51題、歯科衛生士症例発表口演5題、一般演題ポスター51題、臨床(認定医・専門医)ポスター29題、歯科衛生士症例発表ポスター8題など、多くの演題が披露された。

 歯科の主要学会の1つとして参加者も約1,600名と多く、とくに特別講演2の佐藤氏の講演ではホールの2階席まで聴衆で埋め尽くされ、立ち見が大勢出ていたのが印象的であった。佐藤氏のユーモアのある講演も手伝って会期中で一番の盛り上がりをみせていた。また、米国歯周病学会副会長講演では、歯周治療をリードする米国の潮流を聞こうとDr. McClainに対して多くの質問が投げかけられた。さらに、認定医・専門医教育講演「歯周治療のオフィスマネージメントを考える」では有田博一氏(東京都開業)、若林健史氏(東京都開業)の2名の演者が登壇。日大松戸歯学部の同期卒で、卒後に勤務した歯科医院が同じという間柄の両氏は、互いに担当した1人の患者の経過から問題提起がなされた。治療が終了するとメインテナンスに応じることなく、トラブルが出たときのみ来院する患者に対して、どのようなマネージメントおよびアプローチをしていくべきか、その実際が提示された。両氏の共通した考えは、カウンセリングを重要視していることであり、そのためのオフィスマネージメントやシステムの構築、スタッフ教育についてのさまざまな試みが披露された。