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2010年7月4日

第1回JCOHR総会 コクランたばこレビュー翻訳敢行記念ミーティング開催

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 さる7月4日(日)、国立がん研究センター(東京都)において、第1回JCOHR総会 コクランたばこレビュー翻訳敢行記念ミーティング(JCOHR主催/望月友美子氏、国立がんセンター研究所たばこ政策研究プロジェクトリーダー)が開催された。

 JCOHR(Japanese Collaboration for Oral Health Review)とは、「コクランレビューアブストラクトの翻訳」、「コクランレビューの日本における普及」、「EBMの理解と普及の推進・支援」を目的とした活動を行うため、さまざまな保健医療職種が集って2007年に発足したボランティア団体(花田信弘代表、内藤 徹事務局長)。本団体はこれまで口腔保健領域のレビューアブストラクト翻訳を行い、日本医療機能評価機構Minds(http://minds.jcqhc.or.jp/index.aspx)にて公開を行っているが、たばこ問題アブストラクトの翻訳公開を開始したことを記念して、第1回総会が開催された。

 まずコクラン共同計画のもととなったArchie Cochraneの著書「Effectiveness and Efficiency」を翻訳し初めて日本に紹介した森 亨氏(結核予防会結核研究所名誉所長)による講演「コクランとの出会い」が行われた。森氏は、「研究に基づいた欧米の治療と、因習に基づいた日本の治療」といった過去の結核治療の歴史を紐解きながら、客観的事実を受け止め医療行為に反映させることの大切さを説いた。

 続いて南郷栄秀氏(東京北社会保険病院総合診療科)によるコクランのweb上で展開されている各種サービスについての紹介が行われた。現在のコクランのweb展開は、videoやpodcastによる情報提供が盛んに行われていると同時に、双方向性の高いサービスが行われていることを紹介した。

 その後、福岡敏雄氏(倉敷中央病院総合診療科主任部長)による「コクランを使ってみよう」が行われた。これは、福岡氏が学生を対象に行っている講義を実際に行ったもので、コクランアブストラクトの構造を理解することで、システマティックレビューがリスク比の予測に役立つことを解説した。また、近年「質のアップコード」つまり価値が高いような体裁を取り繕った研究が多数見られることから、論文を参照する際には十分注意すべきであるとの提言もあった。

 最後にJCOHR事務局長の内藤 徹氏から、今後も翻訳・啓発活動を行っていくと同時に、国内外のコクラン共同計画関連グループとの連携を積極的に行っていきたいと説明がなされ、閉会した。