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2010年7月10日

OJ 2010年 年次ミーティング開催

「天然歯 VS インプラント」をテーマにMyron Nevins氏らが熱弁をふるう

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 さる7月10日(土)、11日(日)、アクロス福岡(福岡県)において、オッセオインテグレイション・スタディクラブ・オブ・ジャパン(以下、OJ、上田秀朗会長)2010年・年次ミーティングが、「天然歯 VS インプラント」をメインタイトルに約720名の参加者を集め、盛大に開催された。

 1日目の午前は、シンポジウム1「インプラント時代における抜歯基準を再考する」が行われ、まずは上田秀朗会長が登壇。補綴設計の観点から一口腔単位で保存・抜歯を考えることの重要性を説き、天然歯を連結固定した場合のリスクから考えた抜歯基準などに言及した。つぎに水上哲也氏(福岡県開業)は、抜歯の適応について、歯周病罹患歯の状況や治療計画に応じて4種類に分けて考えることを提唱。各カテゴリーに沿った抜歯基準・時期などを解説した。続いてはMyron Nevins氏(ハーバード大臨床准教授、PRD編集長)が登壇し、30~50年にわたり天然歯が良好に保存されている症例、インプラント治療の長期予後経過症例を供覧しながら、歯周再生治療の応用、インプラント補綴設計のポイントなどについて解説した。

 午後は、BIOMET 3i Lectureにおいて鈴木健造氏(東京都開業)が講演を行い、欠損部位・状況の異なる5つの審美インプラント症例を供覧しながら、応用したGBR、結合組織移植などの術式について述べた。その後、シンポジウム2「歯科領域における再生療法」が行われ、まずは船登彰芳氏(石川県開業)が登壇。チタンメッシュを用いた骨造成のポイントを解説するとともに、自身のグループが調査した予後の統計的データを提示した。続いては宮本泰和氏(京都府開業)が、審美領域へのインプラント治療において周囲歯肉退縮を防ぐための硬・軟組織造成の応用について詳説した。最後にNevins氏が、天然歯周囲の再生療法、リッジオグメンテーション、サイナスフロアエレベーションなどの各術式について、また各再生療法におけるrh-PDGFの有用性について熱弁をふるった。

 2日目の午前は、シンポジウム3「審美領域におけるインプラント治療の考慮点」が行われ、まずはNevins氏が登壇。前歯部インプラント治療における硬・軟組織造成の重要性を述べるとともに、プラットフォームスイッチングの特長について触れた。つぎに鈴木真名氏(東京都開業)が、前歯部審美領域において結合組織移植を行った症例を紹介しながら、角化歯肉の造成がインプラント周囲歯肉の維持にとって肝要である旨を述べた。続いては土屋賢司氏(東京都開業)が、審美領域のインプラント治療のポイントとして、リスクファクターを考慮した治療計画、埋入時期、適切な補綴設計などに焦点を当て熱弁をふるった。

 午後は、2月開催のOJミッドウィンターミーティングで選出された6名の演者による会員発表が行われ、猪子光晴氏(北海道開業)、石井肖得氏(山口県開業)、佐藤琢也氏(大阪府開業)、津田宏尚氏(千葉県勤務)、根本康子氏(茨城県開業)、三木通英氏(兵庫県開業)がそれぞれ講演を行った。

 また、例年どおり、歯科技工士セッション、歯科衛生士セッションも併せて開催され、それぞれ盛況を博した。