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2010年7月11日

平成22年度鶴見大学文学部・鶴見大学短期大学部同窓会生涯セミナー開催

「わかる!口腔の筋機能~口腔機能向上のために学ぶ、摂食嚥下にかかわる筋機能~」

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 さる7月11日(日)、鶴見大学会館(神奈川県)において、平成22年度鶴見大学文学部・短期大学部同窓会(浅田美知子会長)生涯セミナーが「わかる!口腔の筋機能~口腔機能向上のために学ぶ、摂食嚥下にかかわる筋機能~」をテーマに開催され、歯科衛生士のほか、理学療法士、栄養士、社会福祉士、介護指導員ら約70名が参集した。

 同会による生涯セミナーは今年で10年目となる。記念となる今回は、山村健介氏(新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食環境制御学講座口腔生理学分野教授)を講師に迎え、口腔機能向上訓練や、摂食嚥下訓練に必要な筋肉に関する講義が行われた。

 まず山村氏は、骨格筋の基本構造や機能、運動の種類(随意運動、半自動運動、不随意運動)、脳と運動との関連など、ヒトの全身の筋肉と運動の基本的事項について解説。そのうえで顎顔面領域の筋肉の特性や、咀嚼運動と脳との関連、嚥下のしくみなどを、多くの解剖図を示しながら詳説した。

 講演では、生理学や解剖学などの基礎分野がほとんどを占めていたが、訓練を行うにあたっての根拠が多々示され、時に会場から頷きの声などが聞こえた。またここ数年、患者の生活・心理的背景などを重視した対応が求められており、脳との関連からもその必要性が理解できるものとなった。とくに「感覚」を「認知」することで脳を「覚醒」させていく訓練や、「情動記憶」(扁桃体・大脳新皮質がもつ記憶)へのはたらきかけは、画一的なアプローチでは不可能であり、患者の好みや歴史なども取り入れた対応が望まれるとした。