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2010年7月31日

筒井塾咬合療法研究会2010年度第8回総会開催

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 さる7月31日(土)、8月1日(日)の両日、神戸国際会議場(兵庫県)において、筒井塾咬合療法研究会(平野健一郎会長、筒井照子主宰)2010年度第8回総会(坂口雄一大会長)が開催され、329名が参集した。今回の総会は「病院力」をテーマに掲げており、同会で初めて歯科衛生士分科会が設けられるなど医院としての総合力を高めるとともに、咬合療法、包括歯科診療について参加者がさらなる研鑽を重ねるものとなった。

 1日目は、『人の顔を変えたのは何か』(共著、河出書房新社)の著者・馬場悠男氏(国立科学博物館人類研究部長)による教育講演「原人から現代人、未来人までの『顔』を科学する」が行われた。氏は、さまざまな人類が発生地や住・食環境等どのような環境下におかれ発達・衰退したのか、頭骨や顎骨、臼歯の化石から読み解いていった。また日本においても近代以後の柔らかい食事で顎顔面が退化、睡眠時無呼吸症候群など新たな疾病を惹起してしまった現状を取り上げ、固い食物を噛むことを快感に思う食習慣をつけることが日本人が正しい顎顔面構造を取り戻す道である、とした。

 2日目の筒井照子氏の基調講演「歯科臨床『治癒の基本』~形を整えること~」では、口腔の治療とは「1本の歯の病巣や欠損部を治すこと」ではなく、先天的に生物が持っている正しい体と姿に戻ろうとするのに力を添えることだとし、体全体のゆがみや態癖をも勘案した咬合治療であるべきとした。また実際にその理論のもと、筒井氏の咬合治療によって「全身の中の口腔」「咬合をはじめとする「力」の全身へのめぐり」というものを体感された内藤早苗氏(北海道開業)の体験談も織り交ぜたこの基調講演で、万雷の拍手のもと本総会は幕を閉じた。