Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2010年8月28日

「歯科診療におけるCBCTの基礎的・臨床的研究」に関するシンポジウム開催

日本歯科医学会プロジェクト研究からの提言がなされる

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる8月28日(土)、ゆうぽうと(東京都)において、「『歯科診療における歯科用コーンビームCT(以下、CBCT)の基礎的・臨床的研究』に関するシンポジウム」(代表者:岡野友宏氏/昭和大教授)が開催された。本シンポジウムは、日本歯科医学会プロジェクト研究「歯科用CTを用いた歯科画像診断の新たな展開に関するプロジェクト研究」の一環で行われたもので、当日はプロジェクト研究班の面々のほか、日本歯科放射線学会の会員および今回の課題発表者でもある臨床系研究者100名以上が参加した。

 シンポジウムでは、午前に画質評価の規格化(物理評価:西川慶一氏/東歯大、主観評価:新井嘉則氏/日大特任教授)と線量評価(被曝線量:佐藤健児氏/日歯大准教授)および臨床評価(EBMに基づくガイドラインの構築:林 孝文氏/新潟大教授)の4題と臨床系講演(歯科インプラント:インプラント治療における三次元画像の有効性:西堀雅一氏/東京都開業)の1題が行われた。

 午後は、保存診療(歯内療法におけるCBCTのクリティカルパス:中田和彦氏/愛院大、歯内治療:海老原 新氏/医歯大、歯周治療:吉沼直人氏/日大)、成育・矯正診療(埋伏歯・歯の萌出:島田幸恵氏/昭和大、岩崎智憲氏/鹿児島大、成長発育・矯正:槇 宏太郎氏/昭和大教授)、抜歯・顎関節診療(抜歯:中川洋一氏/昭和大、顎関節:本田和也氏/日大教授)の臨床系講演8題と教育学習面から金田 隆日大松戸教授が登壇した。

 CBCTの評価を2年後の診療報酬改定に収載すべく、演題にもあるようにクリティカルパスなどのエビデンスの構築にプロジェクト班は尽力している。しかしながら、本年2月に行われた「歯科用コーンビームCT企業講習会」同様に、研究者側がCBCTの適正応用を呼びかけても、臨床の現場の認識とは乖離があり、一般臨床家への啓蒙が望まれる。徐々に日本歯科放射線学会主導の講習会などは開かれているようであるが、いまや臨床の「三種の神器」といわれるほどの注目度から考えても、乱用されつつある現状には警鐘を鳴らしたいところだ。